「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループE」を戦う鳥取城北(鳥取県)の初戦は、名古屋経済大学高蔵(愛知県)戦でした。前半は接戦となりましたが、第3クォーターを26-10と圧倒して抜け出すと、第4クォーターも粘る名古屋経済大学高蔵に付け入る隙を与えず、最終スコア69-59で勝利しました。
「今大会は、できるだけたくさんの選手がプレータイムを得て、なおかつ強度を落とさずにエネルギッシュにプレーすることがテーマです。この試合を40分で見た時、後半に時間が進むにつれて、次第に点差を離すことができたのは良かったです。経験値が少ない選手もたくさん出場し、相手がゾーンディフェンスに変えた時やゾーンプレスを仕掛けてきた時は少しバタバタとしてしまったので、そこは修正点だと思います」
このように試合を振り返ったのは鳥取城北の石谷洋祐コーチです。多くの選手がコートに立てば、それだけ個々のプレータイムは短くなります。それでも経験値のあるなしにかかわらず、コートに立った選手たちがしっかりとディフェンスの間合いやリバウンド、ルースボール、トランジションの速さなど、出場時間が短いからこそプレー強度を上げてやりきることが狙いで、石谷コーチは「もちろん勝ちには行くのですが、勝ちだけにこだわった試合はしないと選手にも言っています」と言います。
この名古屋経済大学高蔵との試合、後半にチームに勢いを与える働きを見せたのが3年生の山岡千桜選手でした。第3クォーターには、山岡選手が自らのシュートやアシストなどで連続得点を演出しました。女子U18日本代表候補にも名を連ねる山岡選手は、得点力の高い司令塔です。「小さい頃からディフェンスが好きでハッスルしていました」と言うように、一瞬の隙を狙ってのスティールなどアグレッシブなディフェンスでもチームを引っ張ります。
「ガードもしていますが、点も取らなくてはいけないですし、ゲームコントロールもしなくてはいけない。まだ全部を抱えきれていないというか、例えば相手のプレッシャーが強くなった時にに人任せになってしまうところがあるので、このU18日清食品ブロックリーグを通してたくましくなってほしいです」と石谷コーチは彼女に期待を寄せます。
山岡選手も、「ガードの難しいところは自分のペイントアタックを狙いながらも、周りも生かしていかないといけないところです。でも、自分でゲーム作るのは楽しいです」とガードの醍醐味について目を輝かせて語り、自身のプレーの幅を広げることに意欲を見せています。
チームが試合ごとに起用法に変化を加えるなど課題をもってリーグ戦をこなす中、山岡選手も「いろいろなゲームをしていく中で自分の通用するところや課題が見つかると思うので、そんな試合を何度もやることが自分にとってのプラスになると思います」と、このリーグ戦を自分自身を成長させる最適の場と位置付けています。
今年の夏、インターハイでは惜しくも2回戦負けとなりましたが、男子は初優勝を達成しています。山岡選手は「身近に良い見本となる存在がいます。自分たちもそれに乗っかっていける良い環境があります」と言います。
「インターハイでは時間が経つにつれて強度が落ちてしまう課題が出たので、40分間、最初から最後まで強度を高く保っていくことがこれからの目標です」と意気込む山岡選手を筆頭に、鳥取城北は男子に追いつけ追い越せでさらなる高みを目指していきます。
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