一つ負けたら終わりのトーナメントとは違い、リーグ戦は負けても巻き返すチャンスがあります。「U18日清食品ブロックリーグ2025」は、各チームにとってレベルの高い相手との試合を繰り返すからこそ得られる経験と学びがある貴重な機会となっています。
國學院大學久我山(東京都)はここまで5戦全敗と結果を残せていません。それでも、つくば秀英(茨城県)に61-74で敗れた試合では、その前に61-97で敗れた富田(岐阜県)戦から確かな成長を見せていました。
富田戦での國學院大學久我山は、相手のプレスに苦しんでリズムをつかめませんでした。つくば秀英戦でも前からのプレッシャーを浴びてターンオーバーを重ね、イージーシュートの機会を与えてしまいます。しかし、そのまま崩れてしまった富田戦とは違い、この試合では集中を切らすことなく食らい付きます。
チームの持ち味である3ポイントシュートに加え、ビッグマンもゴール下で奮闘してフリースローで得点を繋ぐなど泥臭いプレーが光りました。最終的に序盤のビハインドをひっくり返すことができず敗れましたが、チームの着実な成長が見られた試合でした。
酒井良幸コーチは「インターハイでもターンオーバーが多く、富田戦と今回の試合でも大事なところでミスが出たのは頭の痛いところです。そこを克服したら良いゲームができます」と試合を振り返ります。
キャプテンを務める佐藤淳太郎選手も、「自分たちの強みはセンターで攻められるところですが、相手にアジャストされた時の対応が遅かったです。そして相手のプレスに対して焦ってしまい、本来のプレーができませんでした」と語ります。
190cmの大型シューターである佐藤選手は、クイックリリースで放たれる3ポイントシュートが武器です。波に乗ると連続で決める爆発力は大きな魅力で、「190cmが打つ3ポイントシュートは簡単に止められるものではないと思います」と自信を持っています。
また、「キャプテンとしての責任を感じながら自分のプレーをしていかないといけない」との自覚も持っています。相手の厳しいマークを受けても、オフェンスが停滞している時には自分の得点でチームを鼓舞するのが仕事と、エースの矜持を胸に秘めてプレーしています。
だからこそ、タフな試合が続く「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループD」は、自分の成長にうってつけの舞台と考えています。「このリーグでは自分たちより格上のチームばかりと対戦します。相手が強ければ強いほどコンタクトが厳しくなる中で、どれだけ自分の形でシュートを打てるか。味方にパスをもらってのシュートだけでなく、チームが苦しい時には自分でクリエイトして得点できるようになりたいです」
酒井コーチは、佐藤選手について「まずはシュートですが、能力の高い選手なのでボール運びなどいろいろなこともやってほしいです」と大きな期待を寄せています。佐藤選手自身も、「3ポイントシュート以外にもドライブなどいろいろなことができる選手になりたい」と語ります。
今年のチームについて、酒井コーチは「インサイドとウイングが良く、シューターもいてバランスが良いです。ポテンシャルのある下級生もいて、化ける可能性を秘めています」と手応えを語ります。
この持ち味を生かすために、ガード陣がいかに効果的なプレーメークをできるのか。ここまでは苦しんでいますが、相手が強いからこそ課題にしっかり向き合う機会を得られています。世代屈指のシューターである佐藤キャプテンを中心とする國學院大學久我山が、このリーグ戦での経験で『化ける』かどうか、その成長が楽しみです。
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