英明(香川県)は「U18日清食品ブロックリーグ」初年度から4年連続で出場しています。サイズは小さいものの、粘り強いディフェンスから速攻に転じるトランジションバスケを徹底し、四国の強豪へと名乗り上げているチームです。母校を指導する塩入望コーチは、このリーグ戦を「3年生を主体に勝負にこだわる大会」と位置付けています。
「勝負にこだわる」目標は英明が毎年掲げているもので、塩入コーチは「勝負にこだわるからこそ成長するし、経験値を得られる」という姿勢で臨んでいます。
毎年着実な成長を積み上げている英明ですが、現在は主力にケガ人が多く出ている試練の時です。特にインサイドの選手が数人負傷しているため、もともとサイズのない英明にとっては苦しい戦いが続きます。「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループG」の初戦で明徳義塾(高知県)に勝利を挙げた後は、聖カタリナ学園(愛媛県)、酪農学園大学附属とわの森三愛(北海道)に2連敗を喫しました。
この試練を乗り越えようと、チームは3年生を主体に一つになっています。団結するチームを引っ張っているのが、3年生のダブルキャプテンを務める銘苅妃々哩選手と玉井暖乃選手です。
ゲームキャプテンを務める銘苅妃々哩選手はポイントガードとして、ゲームメークを任されています。スピードあるプレーからチームメートにパスを配給。ディフェンスではプレッシャーをかけてボールを奪い、速攻に繋げるプレーを得意としています。
チームキャプテンである玉井暖乃選手はベンチから出て3ポイントシュートや泥臭いルーズボールで流れを変えるのが役目。練習でも試合でも、誰よりも声を出してチームを活気づけています。
ケガ人不在の試練を乗り越えるため、2人のキャプテンはこのように目標を語ります。銘苅選手が「U18日清食品ブロックリーグでは一人ひとりが対戦相手に向かってチャレンジをして、ケガ人が帰ってきた時に安心してもらえるくらい成長したい」と言い、玉井選手は「センターがケガをしているので、小さい選手たちがどれだけヘルプディフェンスを意識できるかがカギ。アウトサイドの選手がレベルアップする機会にしたい」と意気込みます。
実際のところ、2人のキャプテンを中心にこのリーグ戦を戦う中で、「新戦力が出始めている」と塩入コーチはチームのステップアップを評価しています。
9月21日の聖カタリナ学園戦では、相手に走られて51-76で敗れましたが、「サイズがあって3ポイントが得意なチームに対してどうやってディフェンスをするか、さっそく反省点をみんなで話し合っていきます」とゲームキャプテンの銘苅選手は言います。
チームキャプテンの玉井選手はこう続けます。「今はこのリーグ戦を通じて、アウトサイドの選手が向上していくことが大事です。そのためにも、これまでの試合を振り返って反省点や収穫をみんなで話し合い、チームの強みを出していきたい。これからは九州や近畿のチームと対戦するので、チャレンジしていきたいです」
2人のキャプテンが共通して語るのは、ブロックリーグの試合を通じて「選手同士でたくさん話すこと」。負けた試合からも学び、チーム内で意見をぶつけあうその姿勢こそが、今後の試合で勝機をつかむきっかけとなることでしょう。残り4試合に向けて、2人のチームキャプテンを中心に挑む英明です。
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