星槎国際高等学校湘南(神奈川県)の女子バスケットボール部は、2019年創部と歴史は浅いですが、今夏のインターハイには2年連続3回目の出場を果たし、「U18日清食品ブロックリーグ2025」に初参戦しています。
「チームだけでなく個々も含めて全国のレベルを実感してもらいたい。神奈川県内で通用すると、どうしてもできていると思ってしまいますが、それは違うんだということを感じてもらえれば」と原田学コーチは今大会への思いを語ります。
チームは目下、190cmの高さがある1年生の留学生、オランレワジュ ザイナブ アビデミ選手を生かした攻撃の精度を高めているところです。9月27日の船橋市立船橋(千葉県)戦では、原田コーチが「彼女へのパスや周りの選手の合わせなどを試すことをメインに臨みました」と言うように、いつも以上にアビデミ選手にボールを集める攻めを展開しました。
前半はその攻めにぎこちなさが出ましたが、後半には動きもスムーズになり、89-79で勝利。その逆転劇に一役買った青木陽愛選手は、「点差が開いて追い掛ける状況になったので、自分がやらないといけないと思ってドライブからの攻撃を意識しました」と語ります。
インサイドへのパスを意識した前半はチームとしてもリズムが生まれませんでしたが、後半はそれだけでなく、青木選手は状況に応じて自分で攻める積極性も出しました。苦しい場面を支えるエースは、第3クォーター終盤にはドライブからのバスケット・カウントで、チームの士気を盛り立ててもいます。
「ドライブが武器で、ウィークサイドのドライブからジャンプシュートを打つといった攻めをしてもらえれば。それにディフェンスでは彼女が必ず相手のエースについています」と原田コーチが語る通り、青木選手は攻守において信頼される存在です。
普段はボールミートからの1対1での得点が多いとのことですが、船橋市立船橋戦では流れの中でボール運びやトップの位置でパスをさばくなどといったガードのようなプレーを何度も披露しました。本人は「ちょっと苦手です」と苦笑いするも、その言葉とは裏腹にボール運びも危なげなくこなすあたりはさすが3年生です。
インターハイを終えて高校バスケを引退した3年生もおり、チームの中に現時点で活動を続けている3年生は数多くありません。コートに立つ選手も下級生が自然と多くなりますが、青木選手は最上級生として試合では何度となく仲間に声を掛けていました。
「チームとして落ちている時に声が出なくて黙ってしまうことが多くなるので、そこで自分が率先して声を出して盛り上げていきたいと思っています」と青木選手は言います。
星槎国際高等学校湘南の「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループB」はあと3試合。「留学生のセンターがチームに入ってきた分、パスを見てしまうことが多くなってしまっているので、もっと自分の持ち味であるミートからのドライブを増やして、そこからのシュートがたとえ入らなくても、ファウルもらってのフリースローでもっと点の取れる選手になっていきたいです」と抱負を語る青木選手は、残り3試合も主軸としての覚悟を持ってチームを引っ張っていきます。
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