「U18日清食品ブロックリーグ2025」に初出場の県立幕張総合(千葉県)。開幕から2連敗と結果を見れば苦しいスタートですが、東北への遠征など普段はなかなかできない経験をしながら県外の強豪と試合を重ねることはチームにとって大きな学びの場となります。
9月27日に対戦した東京成徳大学(東京都)は高校バスケ界を代表する名門チームで、全国でもトップクラスのタレント力を有する相手に1対1で打開できず、フィジカルなディフェンスにコンビプレーを封じ込まれて、序盤からリードを許します。第3クォーター終了時点で39-88の大差が付きましたが、それでも県立幕張総合の選手たちは下を向くことなく戦い続け、第4クォーターに限れば15-8と上回りました。54-96の大敗でも、収穫を得られた試合となりました。
県立幕張総合の高松淳史コーチは「力の差がありました。自分たちのコンセプトをやろうと試合に入りましたが、やらせてもらえませんでした」と語りますが、「思うように攻められない、守れない試合を戦うことも経験です。上手くいったところ、そうでないところを還元することで練習の質をワンランク上げたい」と敗戦の中にも収穫はありました。
キャプテンの松島杏選手は、司令塔としてゲームコントロールを担うだけでなく、「もともとはディフェンスができることで試合に出してもらっていました」と攻守両面でチームを牽引する選手です。
「初めてのU18日清食品ブロックリーグで、相手は各県の上位チームばかりで、自分たちの力のなさを痛感しますが、もっとできることはたくさんあります。この試合では点差が離れてしまいましたが、高松先生から『ここであきらめてしまったら、同じ場面になった時に繰り返してしまう』と言われて、最後まで戦い続けることができました」
そして松島選手は、下を向くのではなく前を向いて「U18日清食品ブロックリーグ2025」を戦うつもりです。「強いチームと試合ができるのは、チームだけでなく私自身にとっても成長できる機会なので、楽しみたいと思っています」
高松コーチはチームの一番の武器は機動力だと見なし、「運動量をもっと増やしたいです。タフなディフェンスを40分間続けて相手を引っかき回す。適材適所でメンバーを頻繁に交代させて、チーム力で強豪に挑みたいです」と抱負を語ります。
そのために求めるのはチームの自主性を高めること。「よく見て、よくしゃべって、よく気付く。この3つをしっかりやって、チーム全員で束になって相手に挑む。ベンチを含めて選手が主体となってコミュニケーションを取ってほしいです」
松島選手もチームリーダーとして、コート内外で積極的なコミュニケーションを心掛けるとともに、特に下級生が上級生に遠慮せずプレーできる環境を作ろうとしています。「自分が下級生の時、先輩たちと距離感があるとプレーしづらかったです。今は自分から下級生に『何をしてほしいか』を話し、逆に下級生に『何をしてほしいのか』と聞くようにしています。コートを離れても常に会話することを意識しています」
長いリーグ戦が続く中で、勝っても負けてもそこから成長の材料を得られるように。松島選手を筆頭にコミュニケーションを増やしながら、県立幕張総合は心身ともにたくましく成長していきます。
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