「U18日清食品ブロックリーグ2025」初出場の八王子学園八王子(東京都)。「リーグ戦が始まる前は、1勝もできないかもしれないと覚悟していた」という武市可奈子コーチの予想を大きく裏切り、浜松開誠館(静岡県)や鵠沼(神奈川県)といった全国大会常連チームにも快勝し、現在5連勝中でグループDのトップに立っています。
八王子学園八王子は、男子バスケ部がこの夏のインターハイで準優勝に輝きました。女子も2年前に初めて留学生のシセ ファンタ選手を迎えて強化を図り、めきめきと力をつけてきました。昨年のウインターカップ予選ではベスト4入り。今年は関東ブロック大会に初出場しました。
「私たちもいずれは全国大会で勝ち上がりたいという目標があるので、全国大会に出場しているチームと対戦して、空気感や勝負感を感じながら精一杯戦って、チームの強化を図っていきたい」と武市コーチはこの大会を貴重な経験の場ととらえています。
2年生キャプテンの深澤碧海選手も「練習試合は関東のチームが中心で、東海や関西のチームとはあまり対戦することがありませんが、ディフェンスの強度は西のチームの方が強いと感じるので、リーグ戦を通じて普段はできない経験ができています。その中でも自分たちのディフェンスからブレイクを出すプレースタイルで勝てていることは自信になっています」と笑顔を見せます。
八王子学園の強みは、身長184cmのシセ選手と185cmのジェン ンゴネ ディバ選手の留学生2人によりインサイドでアドバンテージが取れることです。しかし、それゆえに「留学生に頼りすぎてしまっている」ことが課題でもあります。
パワーフォワードの深澤選手は「留学生以外の選手の得点力アップが必要です。自分も練習ではインサイドでポストアップする場面で、留学生にパスを多く入れてしまっています。ミスマッチの時は積極的に1対1を仕掛けて、得点でもっとチームに貢献できる選手になりたい」と語ります。
武市コーチも深澤選手のステップアップに期待しています。試合中、ベンチに戻って来た深澤選手と長く話す場面が度々見られました。「ポテンシャルがあって一生懸命な選手ですが、今は相手の土俵で戦ってしまっています。もっと相手と駆け引きをして、自分のリズムでプレーしてほしいので、『もっと相手を騙していいんだよ』と言い続けています」
それとともに武市コーチは「リーダーシップがある」という深澤選手のキャプテンとしての働きに全幅の信頼を寄せています。シセ選手が相手の執拗なディフェンスに対して少しエキサイトした場面では、すぐに深澤選手が声をかけて落ち着かせていました。
この大会では多くの選手に試合経験を積ませるため、試合ごと、時間帯ごとに起用法が変わります。その中で深澤選手はチームをまとめる難しさを感じていると言います。「3年生がいる時はカバーしてもらえますが、1、2年生だけの時間帯は自分が引っ張っていかないといけないです。状況によって役割が変わることを自覚して、コート内のコミュニケーションを頑張ります」
日本人エースとしても、キャプテンとしても、強い責任感を持ってプレーする深澤選手。「U18日清食品ブロックリーグ2025」で試行錯誤しながら、日々成長を続けています。
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