埼玉栄(埼玉県)はこの1年で急成長を遂げているチームです。インターハイ県予選では、正智深谷(埼玉県)との決勝で3点差の惜敗を喫して出場を逃しましたが、その悔しさを晴らすべく、2022年以来3年ぶりの出場となった「U18日清食品ブロックリーグ2025」に臨んでいます。
チームの指揮を執る小野凌コーチは「U18日清食品ブロックリーグは勝ちに行く大会です。審判が3人つき、強度の高いゲームを何試合もできる機会はなかなかありません。素晴らしい環境で試合ができることに感謝し、結果にこだわることで成長できると思っています」と意気込みを語ります。
選手たちも全力で試合に臨んでいます。多くの選手がコートに立ち、インサイドでもアウトサイドでもバランス良く攻撃を仕掛けるチーム力が埼玉栄の持ち味。キャプテンの後藤悠大選手を中心に、ポイントガードの鹿夏哉人選手、得点源の鈴木陽真選手や齊藤壮悟選手ら3年生がチームを引っ張り、1年生留学生のカミソコ ゾマナ選手もゴール下で奮闘し、全員で戦うスタイルを披露しています。
どこからでも得点が取れる全員バスケにおいて、小野コーチが「常に自分の仕事をやり続け、打たなければいけないところで打ち続けている選手」とキーマンに挙げているのが3年生の白濱瑛良選手です。
「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループB」の初戦で、埼玉栄は千葉ジェッツ U18(千葉県)とのシーソーゲームに競り勝ちました。翌日の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18(愛知県)戦では第4クォーターに埼玉栄の流れが来ましたが、細かいミスやフリースローの失敗が響いて延長に突入。最後は相手の3ポイントシュート攻勢の前に屈しました。2日続けての接戦で黙々とシュートを打ち続けていたのが白濱選手です。
得意の3ポイントシュートに加え、ハイポストからのシュートも武器としており、2点でも3点でもどちらも打ち続ける姿勢は、まさにチームが誇るシューターです。しかし、名古屋D U18戦の後は、再延長の末に敗れたとあって「延長に行く前に勝たなければいけない試合でした」と悔しさを語ります。
「自分のシュートが通用したところもありましたが、良い場面でパスをもらった時に決めきらなければいけません。チームとしてはリバウンドやディフェンスで粘りきれず、オーバータイムでは気持ちの面で相手に負けていました」
それでも、B.LEAGUE U18のチームとの連戦では「気付くことが多かった」と収穫も大きかったと白濱選手は言います。「U18日清食品ブロックリーグに出てくるB.LEAGUE U18のチームは、チームが一つになってタイトに戦ってきて、フィジカルの強さを感じました。なかなか対戦できない相手なので、タイトに戦うチームに対してどう向かっていくか、良い経験になりました」
逆転できた試合と、接戦を落とした試合。B.LEAGUE U18との連戦から得た気付きを大切にする白濱選手は、今後の試合に向けてこのように誓います。
「ウチのチームは得点を取れる選手が多いですが、自分はシューターとして得点を取り続けたいです。チームとしてはターンオーバーとフリースローの部分で課題が出たので、練習でそこを直せば向上できます。まだまだいろんなチームと試合ができるので楽しみですし、自分がシュートを打ち続けて残りの試合を全部勝ちきりたいです」
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