東海大学付属相模(神奈川県)はここまで、すべて留学生ビッグマンを擁する4チームと対戦し、桜丘(愛知県)と藤枝明誠(静岡県)に敗れるも、山梨学院(山梨県)と富田(岐阜県)に勝って2勝2敗と、「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループD」の強豪と互角に渡り合っています。
東海大学付属相模は最も身長が高い選手でも志水耀選手の190cmと、留学生とのマッチアップではサイズのミスマッチが目立ちます。しかし、ガード陣までサイズがあって全員のフィジカルが強く、スイッチしてもズレを作らせない強力なチームディフェンスは大きな武器となっています。このフィジカルの強さは、大学バスケの名門、東海大バスケ部との連携によるもの。原田政和コーチは「シーガルスの理論に基づいたトレーニングを導入して、東海大と同じようにやっています」と、その強みを強調します。
それと同時に「鍛えた身体をどこでどう使うか。鍛えているものをコートで惜しみなく出すことをテーマにしているので、見ている方々が『戦っている』と思っていただけるならすごくうれしいです」と語ります。
それは高さで相手に負けていても、コンタクトしてリバウンドを簡単には取らせず、ティップしてルーズボールを味方に頑張ってもらうなど、誰かが黒子に徹すれば別の誰かがボールに絡むチームプレーであり、「レベルの高い試合では絶対にそれが必要だし、それを何試合も経験できるこのリーグ戦は最高の成長の機会です」と原田コーチは言います。
そしてオフェンスでは、フィジカルの強さを生かしたゴール下での力強いフィニッシュがあり、エースの高島舜弥選手の当たり始めたら止まらない3ポイントシュートが武器となります。富田との試合は終盤まで接戦が続きましたが、高島選手が要所で3ポイントラインのかなり手前から放つディープスリーを沈め、終盤に突き放して83-74の勝利を収めました。
「相手のディフェンスが自分に対してかなりタフに来ていたのですが、それでもエースは勝負どころで決めないといけないと自覚しています。仲間に助けられた部分もありますが、最後までもつれる試合を勝ちきれたことで、またチームの成長に繋がりました」と、試合後の高島選手は語ります。
試合を通じて厳しいマークを受けながら、高島選手は得意のシュートだけでなく相手を引き付けてパスを出し、オフェンスを組み立てました。「小さな頃からハンドリングは練習してきました。僕が常に顔を上げて焦らずプレーすることが、味方の心も落ち着かせると思っています」と、ハンドラー役について語ります。
それでも、やはり彼の見せ場はディープスリーです。シュートをひたすら打ちまくるわけではなく、相手ディフェンスと味方の動きを見てプレーメークしながら、自分のタイミングで打てると判断すれば迷わず打ちきります。
「去年からエースの役割を任せてもらっていたのですが、去年は勝負どころで決められず、『エースがエースじゃない』という感覚がありました。それを乗り越えるために、今年になって3ポイントシュートのレンジを広げて、相手が届きづらいポジションでボールをもらう。そこで自分のリズムで打てば決められるように、試合を想定したシューティングを特に意識してやってきました」
そう語る高島選手が試合で心掛けるのは『動じない心』です。「決める決めると意識しすぎると力んでしまって本来のシュートが打てません。自分のリズムでボールが来たら打ちきる。打ちきることができたら、決まらなくても、そこは打たないと決まらないものだと考えて。メンタルを強く持って打ち続けるようにしています」
最近はシュートタッチが絶好調。高島選手はそれをチームのおかげだと言います。「インターハイ予選の頃から、僕の欲しい場面でパスをくれるようになりました。シュートを打つシチュエーションを自分で作らなくても、そのタイミングでボールが出てくる。だからこそ、仲間が作り上げたチャンスを僕が責任を持って決めきる。そこは覚悟を持ってやっています」
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