奈良育英(奈良県)は2年ぶりに「U18日清食品ブロックリーグ」に出場しています。前回出場した「U18日清食品 近畿ブロックリーグ2023」では5戦全敗に終わり、今年もここまで6戦全敗と結果は出ていません。それでもチームを率いる大和友哉コーチは「このリーグ戦を戦うメリットはすごく大きい」と語ります。
「ウチは地方のチームで、全国大会で勝ち上がるのはなかなか難しいです。特に得点力が足りていませんが、この大会を通じてその課題も少しずつ改善できていると感じます」
最終的に敗れたとはいえ、9月の初芝橋本(和歌山県)戦を62-64、明徳義塾(高知県)戦を82-87と、強力な留学生ビッグマンを擁するチーム相手に互角の戦いを演じました。「留学生のいるチーム、いないチームで戦い方を変えながらチャレンジした結果、一定の収穫を得られています」と大和コーチは確かな手応えをつかんでいます。
迎えた10月12日には育英(兵庫県)と対戦しました。序盤からスピーディーな展開となり、奈良育英は相手の強度の高いディフェンスに苦しんでボールムーブが停滞する場面が多く、前半を終えて21-46と点差をつけられてしまいます。それでも第3クォーターにはキャプテンの平野隆治選手がブレイクからレイアップを決めたり、2年生シューターの五領田雄一郎選手が3ポイントシュートを2本を決め、食い下がります。ただ、第4クォーターはタフショットが増えるなどしてオフェンスの勢いを失ってしまい、最終的に47-80で敗れました。
大和コーチは試合後、「今日はトランジションのところで相手に上回られてしまいました。ただ、シュートは打つべき場面で打てていましたので、それがもう少し入っていたら違う展開になったと思います」と分析します。
得点力アップの課題を克服するため、大和コーチがシューターとして期待を寄せているのが五領田選手です。この夏のインターハイではプレータイムが多くありませんでしたが、ケガ人が出たこともあって「U18日清食品ブロックリーグ2025」でコートに立つ時間を大幅に伸ばしています。
「本当にシュートをよく打つようになりました。自信を持って打っています」と大和コーチもその成長ぶりに目を細めます。この日の育英戦でも2桁得点をマークしましたが、当の本人は「シュートを打たせてもらっている分、もっともっと決めないといけない」と満足している様子はありません。
五領田選手はチームでの自分の役割をしっかり理解し、チーム練習が終わった後には3ポイントシュートの精度を上げるため個人練習に取り組んでいます。「コーナー、ウイング、トップとそれぞれの位置から3ポイントシュートが5本以上入るまで毎日練習しています。時間があればノルマを10本にしています。確率を上げるのはもちろん、より意識しているのはリリースを早くすることです。そこは1年生の時よりも成長できている実感があります」
奈良育英は3年生が6人と少なく、チーム力を上げるには下級生の活躍が必要不可欠になっています。そのため平野キャプテンは日頃から下級生に対して「3年生に気を遣うことなく、自分のいいプレーをどんどん出してほしい」と声をかけ続けているそうです。
その後押しを受けて、五領田選手は自分の殻を破りつつあり、「自分がチームを勝たせる」という自覚も増してきています。「シュートを打つだけでなく、ドライブとシュートをもっと上手く使い分けられるようになりたいです。目標は全国の舞台で2つ、3つ勝つことなので、それを達成できるように毎日の練習からしっかりと取り組んで、もっともっとレベルアップしていきたいと思います」
この記事をシェアする