10月12日に行われた「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループC」の東海大学附属諏訪(長野県)と桐生第一(群馬県)の一戦は、それぞれが持ち味を発揮した好ゲームとなりました。
東海大学附属諏訪は、フィジカルの強さを生かしたディフェンスから、インサイドとアウトサイドでバランス良く得点を重ねます。桐生第一はサイズで劣っていてもスピードを存分に発揮し、ペイントアタックと思い切りの良いアウトサイドシュートで対抗しました。
試合の分岐点となったのは第3クォーターです。東海大学附属諏訪のディナイディフェンスが激しくなり、桐生第一のボールムーブを停滞させます。桐生第一はピック&ロールからのペイントアタックを試みるもターンオーバーが増えてしまい、一時は20点以上の差が開きました。ここから桐生第一も意地を見せ、ファストブレイクを多く出しながら、一気に点差を詰めていきますが、最終スコア63-75で敗れました。
敗れたとは言え、第4クォーターはファストブレイクの連発で一気に点差を縮めています。岡田研司コーチは「第3クォーターで圧倒された後、自分たちでどうカムバックするか考えようと声をかけ、選手たちに委ねました。選手たちを称えたいです」と語り、こう続けます。
「フィジカルが強くないので、ボールを展開するハーフコートバスケをメインに作ってきましたが、全国の強豪が相手となると、やはりフィジカルで押し切られる時間帯があります。そこで勝負をしないために第4クォーターのようなオールコートバスケをもっと展開して、相手が守る前に仕掛けられるようにしていきたいです」
キャプテンの野口奏選手は、「フィジカルでは圧倒的に東海大学附属諏訪に分がある中で、トランジションで勝負をしたかったのですが、第3クォーターにフィジカルで圧倒されてしまったことは反省点です」と試合を総括します。
野口選手が東海大学附属諏訪に合わせて考えていたプレーは、ピック&ロールからフットレースに持ち込むこと。明確なリムプロテクターのいない相手にスピード勝負を仕掛け、普段は使っているフローターよりもレイアップで決めきることです。野口選手が1年生の時から、そのハンドリング能力とスピードを生かしていこうと岡田コーチに指導をしてもらった武器を存分に発揮しました。
野口選手はこの日の出来を「10段階評価だったら6ぐらい」と語ります。「やれたことも多くありましたが、やっぱり20点以上離されてしまう前に、アジャストしなくてはいけなかったと思います。ただ、そこから10点差ぐらいまで追い上げることができたのは良かったです」
「U18日清食品ブロックリーグ2025」に出場して得られたことを聞くと間髪入れずに、「気持ちです!」と答えが返ってきました。「今日も20点以上離れましたが、あきらめる選択肢は誰もありませんでした。最後に追い上げることができたのも、みんなの気持ちが切れなかったことが大きいですし、このチームの強みはそこだと思います」
秋が深まる長野の地で、桐生第一の選手たちは最後まで強い気持ちで熱いプレーを見せてくれました。まだまだ伸び代だらけのチームが、これからどんな成長を見せてくれるか楽しみです。
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