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U18日清食品リーグ

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吉竹結華「練習してきたことがすべてです」県立小林(宮崎県)

県立小林(宮崎県)は「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループF」の6試合を終えて5勝1敗と素晴らしい戦いぶりを見せています。 「堅守速攻」はどのチームも掲げるスタイルですが、県立小林のバスケは他とは全く異なるもの。40分間オールコートでディフェンスし、オフェンスでは積極果敢なリムアタックを繰り返します。公立校で留学生はおらず、一番背が高いのは177cmの吉竹結華選手。その吉竹選手もオールコートプレスの一員としてディフェンスで全力疾走しつつ、オフェンスでもリムランの足を止めることはありません。

10月11日には倉敷翠松(岡山県)と対戦。183cmの長身で外回りのプレーもできる留学生、オルショガブサヨ アヨミポシ選手とマッチアップするのは吉竹選手です。オールコートプレスを破られると、吉竹選手はすぐにアヨミポシ選手をマークし、ペイントエリアで自由を与えません。前半はアヨミポシ選手が得意のミドルレンジのジャンプシュートを確率良く決めて倉敷翠松のペースになりますが、試合が進むにつれて県立小林がペースをつかみます。

攻守ともにとにかくハイペースで走り続ける県立小林のスタイルに持ち込まれた結果、倉敷翠松のキーマンであるアヨミポシ選手はオールコートで激しく守られる上に、攻守が切り替わると速攻に走る吉竹選手を追わなければならず、ずっと走り続けることに。県立小林の選手たちも体力的にはキツいはずですが、それを全く表に出さず、後半になると運動量で倉敷翠松を圧倒し始めます。

前半は29-37とビハインドを背負っていましたが、第3クォーターに猛追し、第4クォーターに入って逆転すると、そのまま点差を広げて72-65で勝利。まさに走力でつかんだ逆転勝利でした。留学生とマッチアップしながら攻守に走り続けた吉竹選手は「私が良いプレーができるのは、自分から走ったりリバウンドに飛び込んだりしている時です。誰かに言われてやるのではなく、自分で決めてやることで良いプレーができます」と胸を張ります。

福岡出身の吉竹選手は、中学までは「走らないセンター」でした。バスケは好きでも全国のトップレベルに挑むほどの気持ちはなく、県外でバスケを続けることにあまり気乗りしていなかったそうですが、練習見学に行って県立小林の独特な「堅守速攻」に一目惚れ。「ものすごく走り、ガッツを出していくスタイルはそれまでの私とは真逆で、自分がこのバスケで通用するか試したい、ここで日本一になりたいという気持ちが自然に出てきました」と吉竹選手は当時を振り返り、その気持ちは3年生になった今も変わらないと言います。

「1年目は練習についていくのにも必死で、成長とか以前に体力をつけるところからでした。最初は接触も嫌がっていました」と話す吉竹選手にとって、転機となったのは昨年の「U18日清食品 九州ブロックリーグ2024」で、ここから主力の自覚を持つようになり、成長のスピードも加速しました。

今年のリーグ戦ではリムを攻めて強引に決めきるシュートを再三見せていますが、それは去年は見られなかったプレーです。吉竹選手は自分の武器をこう語ります。「練習してきたことがすべてです。以前はパワードリブルが苦手でパスばかりしていましたが、自分の得点を伸ばそうと意識して練習してきて、今は得意だと思えるようになりました」

力強いプレーを身に着けた今も、基本の「走る」を怠ることはありません。2対1の数的優位にある速攻の場面で、3人目の吉竹選手がボールを追い越す勢いで走るシーンが何度も見られました。体力的に厳しい中でも走り続ける理由を「シュートが落ちたら、とは考えていなくて、仲間が決めてくれると思っていますが、私が走ることで相手にプレッシャーを与えられるし、それ以上にチームが盛り上がります」と言います。「私が走ればみんな必ず『ナイスラン』と言ってくれて、私の気持ちも上がるし、チームの雰囲気も良くなります。だから走ることが無駄だとは思っていません」

夏のインターハイでは2回戦で桜花学園(愛知県)に59-89で敗れました。それでも、点差ほどの実力差があったとは思っておらず、それを埋めるためのチーム力アップに励んでいます。吉竹選手はこう言います。「自分たちのディフェンスの起こしのミス、ガードのエントリーのパスミスから速攻をやられたり。そういう自分たちのミスをなくせばもっと戦えると思っています。自分たちのやってきたことに自信を持ち、一人ひとりが強い気持ちを持って挑戦していきたいです」

「U18日清食品ブロックリーグ2025」 会場での観戦情報

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