この1年で急成長し、7年ぶり8回目となるインターハイ出場を決めた一関学院(岩手県)。「U18日清食品ブロックリーグ2025」にも初出場を果たし、目的意識を持って大会に挑んでいます。山田繁コーチは、初参戦となるリーグ戦への抱負をこのように語ります。
「これまでプレータイムが短かった選手や期待の下級生をたくさん起用し、選手たちの成長を求めて試合に挑んでいます。今はチームにケガ人が多いのですが、そういう時こそ新戦力を試す良い機会になり、多くの経験を積んでステップアップしていければと考えています。この大会はすべてが強豪チームとの対戦なので負けることも多いですが、選手たちには『この大会で得た収穫や課題をどう生かすか、選手同士でよく話し合ってほしい』と伝えています。コーチの言うことだけを聞いているのではなく、選手同士で考えることで、さらにチームが成長していくと思っています」
山田コーチの言うように、選手同士で話し合いが必要な試合が訪れました。10月11日の聖和学園(宮城県)戦は、ここまでの4戦で最大点差となる30点差(47-74)をつけられての完敗となりました。
この日は3年生のオモカロ・マリアン・アブドゥルカリーム選手が捻挫のために欠場し、大黒柱の不在が響いて得点が伸びませんでした。しかし、そういう逆境の時こそ、選手同士で試合を振り返り、話し合う姿勢が大切です。キャプテンの伊藤伶奈選手は、聖和学園戦で「たくさんの気付きがありました」と言います。
「聖和学園は激しいディフェンスを仕掛けてきて、3ポイントシューターがいるチームです。そうしたシューターを生かすために、オフボールでよく動いてチャンスを作っていました。自分たちは何を生かして攻めるのかがはっきりしておらず、そこに聖和学園との差を感じました」
「自分たちはスクリーンプレーをされてから対処することが多く、そうなる前に予測をしたり、コミュケーションを図っていかなければなりません。相手のやってくることに対して対応が遅れると、相手は裏をかいたプレーをしてきます。こうしたことをゲーム中に対応できるようにしたいですし、これらの反省点は選手同士で共有していきます」
また、この試合では大黒柱が不在だったこともあり、「留学生に頼り切らずに、一人ひとりが攻め気を持って戦うことが大事だとあらためて感じました。そのためには個々がスキルをつけていかないといけません」と、様々な気付きを得られた試合になりました。
山田コーチいわく、伊藤選手は「得点力もディフェンス力もある選手で、コートで存在感が光る選手です。伊藤選手が軸になると、チームの動きがフィットして流れが良くなるので、これからも積極的にプレーしてほしい」と大きな信頼を寄せています。
聖和学園戦では反省しきりの伊藤選手でしたが、強豪チームと対戦して得た気付きを糧に、残りの試合に向けての抱負をこのように語りました。「この大会は基礎から見直す良い機会になっているので、残りの試合では個々が何をすべきか考えながら取り組んでいきたいです。自分自身は流れが悪い時こそチームを引っ張り、勝利に導いていきたいです」
「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループA」も残すは3試合。キャプテンの伊藤選手を軸に、選手同士でチーム力を高めていく一関学院のチャレンジはまだまだ続きます。
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