11月8日(土)、「U18日清食品トップリーグ2025」は第7週に突入し、早水公園体育文化センター(宮崎県都城市)を舞台に初開催。この日の第2試合では、精華女子(福岡県)と桜花学園(愛知県)が顔を合わせました。インターハイ準決勝で熱戦を繰り広げた両校によるカードとあって、会場は超満員。多くの期待と注目が集まる中、熱い戦いが幕を開けました。
夏の対戦時、68-73で逆転負けを喫した精華女子にとっては、因縁のリベンジマッチ。一方、桜花学園にとっても精華女子の#44アキンデーレ タイウォ・イダヤット選手(3年/189cm)に57得点を奪われた苦い過去があり、今回はその対策が重要なポイントとなりました。
精華女子は先制点こそイダヤット選手が挙げましたが、その後は激しくディフェンスを仕掛けてくる桜花学園を前にターンオーバーが重なります。ケガから復帰した#9吉川愛未選手(3年/161cm)が3ポイントシュートを決めて味方を盛り上げますが、それでも速攻を連発する桜花学園の優位は変わりません。開始5分、6-10とされたところで精華女子はタイムアウトを請求しました。
ここで精華女子の大上晴司コーチは「あまりボールに近付きすぎるな。スペーシングを意識しよう」と指示。ガード陣が激しくプレッシャーをかけられる中、フォワードの岡田沙也選手(3年/163cm)がポイントガードの役目に挑戦し、徐々にアジャストしていきました。その後、#42ブバ アイシャ エジネ選手(1年/188cm)や岡田の得点で19-19と同点に追い付いて最初のクォーターを終えます。
続く第2クォーター、勝負強いシュートを決められて一時は2桁差を付けられた精華女子でしたが、イダヤット選手の連続バスケットカウントなどでじわじわと追い上げ、32-36と4点差にして前半を終えます。第3クォーターも僅差で桜花学園が逃げる同様の展開。精華女子は吉川選手が積極的に3ポイントシュートを狙い、弾かれたボールをイダヤット選手がリバウンドでねじ込んで、徐々に得点を伸ばしました。結局、2点差で最終クォーターを迎えます。
勝負どころの最終クォーター、桜花学園はキャプテンの#4濱田ななの選手(3年/161cm)や#6竹内みや選手(2年/161cm)が勝負強いシュートを決め、残り6分で6点リード。精華女子もアイシャエジネ選手の連続得点で対抗し、さらには岡田選手の3ポイントシュート、アイシャ
エジネ選手の得点で一時は逆転に成功しますが、「そこから何度も自分たちのミスが出て、シュートで終わることができなかった。そこでチャンスを失ってしまったと思います」と大上コーチ。結局、終盤はイシボ ディバイン選手(3年/177cm)らが連続得点を挙げた桜花学園に流れを奪われ、60-65で試合終了となりました。
桜花学園のディフェンスの圧に対して21個ものターンオーバーを犯し、夏のリベンジはかなわなかった精華女子。しかし、ディフェンスでは相手を60点台に抑えることに成功し、オフェンスではイダヤット選手一人の得点に頼り切らずに内外角から得点を重ねるなど、夏からの成長を実感できた部分もあります。
課題だったアウトサイドの得点力アップという面で、シューターとしてリングを狙い続けたのが吉川選手です。京都府出身で、得意のシュートを武器に今年スタメンの座をつかみましたが、インターハイ後の8月に半月板を損傷。リハビリを経て10月の県予選で復帰し、このU18日清食品トップリーグは今日が初試合となりました。それでも「1年生のときにもこの大会は経験していたので、そこまで緊張はなかったかなと思います。インターハイの桜花学園戦では1本もシュートを決めらず悔しい思いをしたので、今日は絶対に決めてやるという気持ちで臨みました」と語ります。
ケガした後、「落ち込んだりもしたんですが、チームメイトやトレーナーさんが支えてくれて頑張れました」と吉川選手。だからこそ「自分の仕事はシュートを打ち続けること。会場に来れていないチームメイトのためにも、絶対に3ポイントシュートを決めたいと思っています」と、自らのやるべきことに迷いがありません。
また、復帰してまだ日が浅い中でも、自らのプレーを良くしていこうと試行錯誤しています。県予選の映像を見返し、「疲れてくると手で打とうとしたり、シュートが前のめりになってしまったりするので、今日はしっかり上に跳ぶことを意識しました」とのことで、ケガする前よりシュートのアーチが高くなった様子です。
今後に向けて吉川選手は「自分の強みの3ポイントシュートをしっかり決めたいですし、そこを止められてもジャンプシュートやドライブを決められるように。それに高校に入って身に付けたディフェンス面でもチームに貢献したいです」と意気込みを語ります。シュート力のある彼女の存在によって相手ディフェンスがアウトサイドに広がれば、強みのインサイド陣もよりプレーしやすくなるはず。試合の大きなカギを握る3ポイントシューターに、今後も注目したいところです。
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