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U18日清食品リーグ

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「先生やチームメイトは家族のような存在」
精華女子#44 アキンデーレ タイウォ・イダヤット

宮崎県の早水公園体育文化センターで開催された「U18日清食品トップリーグ2025」の第7週、大会2日目の第1試合は互いにインサイドに強みを持つ、京都精華学園(京都府)と精華女子(福岡県)の対戦となりました。

序盤は京都精華学園が一歩リードしつつも、互いに点を取り合う展開になります。京都精華学園のシューター#12 谷彩南選手(172cm/2年)が右ウィングから3ポイントシュートを決めれば、直後のポゼッションで精華女子のシューター#9 吉川愛未選手(161cm/3年)が全く同じ位置から3ポイントシュートを決め返します。

しかし以降、精華女子がなかなかシュートタッチをつかめない中、京都精華学園は中外とバランス良く得点を重ね、第1クォーターで9-21と2桁の差が付きました。

第2クォーターに入ると精華女子も徐々に息を吹き返します。その原動力となっていたのが、大黒柱の#44 アキンデーレ タイウォ・イダヤット選手(189cm/3年)でした。オフェンスでは持ち味のパワフルなゴール下でスコアし、ディフェンスでも京都精華学園の2人の留学生をノーファウルで懸命に守ります。

それでも、じわじわ差を広げたのは京都精華学園。連続得点していたタイウォ選手に対して、ガードやフォワードの選手が絶妙なタイミングでカバーに入り、1年生のオディア カウェル リッツ選手(195cm)も手足の長さを生かして効果的なディフェンス。タイウォ選手は前半で8得点、7リバウンドのスタッツを残しましたが、2Pシュートは3/11と確率が上がりません。

20-37で迎えた後半も劣勢が続き、第3クォーターを終えて27-55。最終的に49-69で完敗を喫してしまいました。

「相手はみんながすばらしいバスケをしていて、私たちはインサイドだけになってしまいました。個人的にももっと自分ができることが分かっているので、それができずに悔しかったです。私の得点とチームの助けがあれば勝つことができます。ただ、どちらかだけになってしまうと勝つのは難しいです」

タイウォ選手は苦しい戦いを強いられたことを認めます。それでも、彼女自身は最後まで懸命に足を動かし、最終的には10得点、11リバウンドのダブルダブル。5試合平均28.6得点、20.4リバウンド(いずれもランキング1位)を記録していたことを考えると、ややさみしいスタッツではありますが、大黒柱の矜持は示したといえるでしょう。

タイウォ選手は精華女子にとっては、同校史上初の留学生。来日直後は言語や文化の壁など、さまざまな困難がありました。そんなときに支えてくれたチームメイトは、彼女にとって「家族のような存在」だと言います。

「日本に来て3年間、私は家族にも両親にも会っていないんです。だから、夜になると時々さみしくなって泣くこともありました。そんなときにチームメイトが私のところに来て一緒に冗談を言ったり、遊んだり、笑ったりしてくれます。学校の先生やバスケ部の先生も親切です。それに、実は私はナイジェリアに住んでいた頃はあまり性格が良くない人間で、そこも日本に来てたくさんのことを学びました。日本にはたくさんの文化があって、みんな挨拶ができます。先生やチームメイトは日本での私の家族のような存在で、みんなからいろいろなことを学びました」

大上晴司コーチにとっても留学生を預かるのは初めてのこと。「最初はやっぱり言語の壁ですよね。タイウォ自身も英語でコミュニケーションを取れないストレスを感じていたし、アプリで翻訳をしてもやっぱり真意は伝わりづらいです。私も特に試合中は短時間で指示をしないといけないところ、それが通じなかったりもしました」と、特に彼女が1年生の頃は苦労も多かったです。

それでも、彼女のことを知るうちに徐々に距離は縮まっていきました。「タイウォは最初から『私がリバウンドを取るからみんなももっとシュートを打つべき、攻めるべきだ』と言っていて、困ったときに何度も助けられました。それに、オンコートでは戦いますけど、オフコートでは争うことをしないとっても優しい子。学校でも人気者だし、気を遣える子なんです」と、大上コーチはタイウォ選手の素顔を明かしてくれました。

話を「U18日清食品トップリーグ2025」に戻すと、前日(11月8日)の桜花学園(愛知県)との試合も最後まで粘りながらも惜敗。チームにとっても、タイウォ選手にとっても悔しい週末となってしまいました。だからこそ、今後に向けて闘志を燃やします。

「昨日の試合は勝てると思っていました。でも、残念ながら負けてしまってとても落ち込みました。今日の試合も私とチームメイトが協力すれば勝てるのに…。次に対戦するときまでにベストを尽くして、最高の試合ができるように努力します」

最終週の相手は同じ九州ブロックの慶誠(熊本県)。タイウォ選手の、そして精華女子の「最高の試合」を期待しましょう。

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