• 日清食品
  • カップヌードル

U18日清食品リーグ

NEW

「地元の人たちに少しでも成長した姿を見せようと思った」
桜花学園 #10 小玉愛莉

11月9日(日)に行われた「U18日清食品トップリーグ2025」第2試合は、桜花学園(愛知県)と昭和学院(千葉県)による名門校同士の一戦となりました。

試合は、桜花学園の#4濱田ななの選手(3年/161cm)が先制点を挙げる形でスタート。前日のケガで欠場となった#6竹内みや選手(2年/161cm)に代わり、濱田選手がボールを運んでオフェンスの起点となります。小玉愛莉選手(2年/168cm)らの得点が続き、開始3分で10-4と先手を奪うことに成功。その後は昭和学院のエース#4藤松柚乃選手(3年/159cm)に得点を許したものの、主導権は渡しません。

昭和学院は第1クォーター途中から#6石井杏奈選手(3年/175cm)を投入。石井選手は膝のケガで今年1月から長期離脱を強いられてきましたが、今大会初出場となり、チームに活気をもたらします。桜花学園がリードを保つ中でも、昭和学院はディフェンスを修正して粘りを見せ、#11山田莉心選手(1年/174cm)の得点などで食い下がりました。第2クォーター中盤には#10長尾杏奈選手(1年/170cm)のジャンプシュートや山田選手のリバウンドシュートなど1年生の活躍が光り、一時は2点差(25-27)まで詰め寄ります。

それでも、この我慢の時間帯で桜花学園は#5山田桜来選手(3年/160cm)が昭和学院の藤松選手をフェイスガードで徹底マーク。さらにオフェンスでは勝部璃子選手(2年/177cm)がドライブでバスケットカウントをねじ込み、逆転を許しません。イシボ ディバイン選手(3年/177cm)の速攻も良い形で決まり、再びリズムを取り戻します。

苦しい時間帯を立て直し、結局桜花学園は前半を8点リードで折り返すことに成功。すると第3クォーターを22-7として、一気にリードを拡大しました。後半もオフェンスがやや停滞した場面はありましたが、ディフェンスで相手に主導権を渡さず。最終クォーターにはベンチメンバーも次々とコートに送り出し、最終的に74-53で勝利を収めました。

宮崎県で初めて開催されたこの2日間。桜花学園には同県出身の小玉愛莉選手と#18小田陽夏子選手(1年/174cm)の2名が在籍し、地元開催に特別な思いを持って臨んでいました。特にスタメン出場の小玉選手は「地元の人たちに、少しでも自分の成長した姿を見せられたらという気持ちでプレーしました。中学時代の恩師も応援に来てくれていて、昨日、『スリーを決めてこい』という言葉をもらいました」と振り返ります。この昭和学院戦でも第3クォーターで3ポイントシュートを決めて会場を盛り上げ、「自分は緊張するとシュートが崩れるのですが、決められて良かったです」と笑顔を見せました。

インターハイまではベンチからの出場が中心だった小玉選手ですが、今大会からスタメンに定着。その強みについて白慶花コーチは「一番は正確なアウトサイドシュート。ただそれだけでなく、ディフェンスやリバウンドのフォローなど、ボールのない場面でもしっかり頑張れる
選手です。チームの潤滑油として欠かせない存在」と高く評価します。

一方で小玉選手自身は「中学時代はディフェンスが苦手で、たくさん指導を受けてきました」と打ち明けます。ただ、「桜花学園に来て、ディフェンスができなければ試合に絡めないと実感したので、練習の中でもディフェンスに重きを置いてきました」と語り、その姿勢が大きな成長につながったようです。また、白コーチは「ディフェンスは“経験”も重要」と説明。「ディフェンスは基礎的な技術に加え、感覚的なものやプレッシャーをかける勇気、それを支える周りの助けも必要です。小玉も多くの失敗を経験しながら、徐々にそのコツを身に付けてきたのだと思います」と話します。

昨年末に他界した井上眞一コーチから「入学当初から3ポイントシュートを求められていた」と言う小玉選手。だからこそ「3ポイントシュートは私の役割だと自分の中で決めて、たくさん練習してきました」と語ります。それでも「点を取ることだけが自分の仕事とは思っていません。同級生の勝部や竹内も点を取ってくれるので、自分はリバウンドやディフェンスで相手に圧をかけることなど、得点以外の部分を頑張ることを意識しています」と、地道なプレーにも力を入れています。得意の3Pシュートのみならず、あらゆる面でチームを支えるキープレーヤーへと、試合を重ねながら成長中です。

この記事をシェアする

レポート一覧へ戻る