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U18日清食品リーグ

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「良い意味でゲームを壊す」チームの起爆剤として
東山#14 佐藤久遠

「U18日清食品トップリーグ2025」の第7週、大会2日目の最終試合のカードは、共に4勝1敗と優勝を狙う東山(京都府)と福岡第一(福岡県)となりました。会場の早水公園体育文化センター(宮崎県)は立ち見も出るほどの超満員。両チームの選手紹介からすでに熱気が漂います。

立ち上がりで先行したのは東山。エース#5 佐藤凪選手(176cm/3年)の10得点を筆頭に、前日に33得点を挙げた#8 中村颯斗選手(178cm/2年)も5得点を挙げるなど、第1クォーターを21-15とします。

第2クォーターに入っても主導権は東山。チームとして3ポイントシュートが高確率で決まり、#4 藪元太郎選手(191cm/3年)やウェトゥ ブワシャ エノック選手(203cm/2年)もランニングプレーから加点。一方の福岡第一もタイムアウトで流れを断ち切りたいところですが、なかなかシュートのタッチが定まりません。結果、前半を終えて東山が46-35と大量リードを奪いました。

後半に入っても東山はリズム良くシュートが決まり、福岡第一も#33 宮本聡選手(168cm)、#35 宮本聡選手(168cm)、#42 長岡大杜選手(178cm)の3年生トリオが3ポイントシュートで応戦しますが、決定的な反撃とはならず。最終スコア91-66で東山が第7週を連勝で終えました。

計5人が2桁得点を挙げる“らしい”試合運びで勝利した東山から、15得点と活躍した#14 佐藤久遠選手(178cm/1年)を紹介したいと思います。

まだ1年生とあって入学後しばらくは先輩への遠慮が見らましたが、「U18日清食品トップリーグ2025」の仙台大学附属明成(宮城県)戦前に、兄の凪選手から「お前がやらなきゃチームが勝てない」という言葉をもらい、吹っ切れたと言います。

「入学して最初の頃はシュートもためらってしまったり、凪や颯斗さんの様子を見てしまっていたりしたんですけど、今は良い意味でゲームを壊すような選手になれるようにプレーしているので、だいぶフィットしてきているんじゃないかなと思います」

久遠選手は現在の自身のパフォーマンスに手応えを感じています。

また、チームが円滑にコミュニケーションを取る上でも、彼の存在は大きいです。新チームが始まった当初は、凪選手が絶対的な存在であるがゆえに、その意見が“一方通行”になってしまうことが東山の一つの課題でした。ですが、弟の久遠選手が間に入ることで、そのギャップが埋まっていったのです。

久遠選手は「凪に言い返す選手がなかなかいないときに、自分が『いや、これは違うんじゃないか』と言うべきだなと思って、言うようにしています」と、つなぎ役としての仕事が意識的なものだったと言います。それは、チームメイトとのコミュニケーションを何とかしたいと考えていた凪選手にとっても必要な助けとなり、今は大きく改善された部分です。

プレー面でも高校バスケに慣れ、「自分のプレースタイルを確立できてきた」と久遠選手。ただ、前述の彼の言葉のとおり、今目指すは安定感ある選手よりも、爆発力ある選手です。大澤徹也コーチも「久遠には好き勝手やってもらって、起爆剤になってもらいたい」と期待を寄せています。

久遠選手に最終的に目指す選手像を尋ねると、彼は少しはにかみながらこう答えました。

「目標というか、ライバルというか、やっぱりそれは凪なので。凪みたいなその状況判断やパスの視点を吸収しながら、凪以上の得点力がある選手になりたいなと思います。バスケを始めたときから凪だけには負けたくないとずっと思っているので。今でもシュートは負けていないんじゃないかと思います(笑)」

追いかけ続ける兄・凪選手と共にプレーできる期間もあと僅か。そして、東山は最終週の帝京長岡(新潟県)戦に勝利すれば、「U18日清食品トップリーグ」の初優勝が決まります。久遠選手が起爆剤としてどのようにチームを活性化させるのか。翌週のパフォーマンスにも大いに期待しましょう。

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