11月3日、県立光南(福島県)は柴田学園大学附属柴田学園(青森県)と対戦しました。前半はサイズにアドバンテージのある相手にリードを許したものの、後半の出だしから県立光南は機動力を生かした素早いトランジションで反撃します。柴田学園大学附属柴田学園も崩れることなく、試合は一進一退の攻防となりますが、終盤になってゴール下での決定力を発揮した柴田学園大学附属柴田学園が73-66で勝利しました。
創部30周年の今年、インターハイに初出場を果たした県立光南ですが、ウインターカップの出場権を勝ち取ることはできませんでした。そして、「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループA」もこれが最終戦で、1勝6敗の成績に終わりました。
松本理コーチは「これが3年生の最後の試合となる中、今までやってきたことを悔いなく発揮しようと話しました。3年生が最初に良い流れを作ってくれたことに満足しています」と試合を振り返ります。
試合終盤には、これまで出番のなかった3年生たちも出場。彼女たちのプレーに声を張り上げて応援する下級生たちの姿には、チームの一体感がよく表れていました。
松本コーチは、初出場となった「U18日清食品ブロックリーグ2025」でチームが得たものは大きかったと語ります。「他県の上位チームとの公式戦が良い学びになりました。スカウティングをして試合をし、結果を受けて修正して、次の試合に課題を持って臨む。そのサイクルでリーグ戦を戦えました。遠征して慣れない環境で自分の持っている力を出すことは難しいのですが、それを経験できたことも収穫です」
2年生エースの遠藤恵里佳選手は、ゴール下への鋭いアタックと思い切りの良いシュートでオフェンスを牽引しました。これから始動する新チームでは、これまで以上の活躍が楽しみな存在です。
遠藤選手は「今回が3年生と戦う最後の試合なので勝ちたかったです。負けてしまいましたが、みんな自分たちのやるべきことをやって、最後まであきらめずに戦えました」と語ると、「身長の高い相手、スピードやシュート力の高い選手がいる相手に対し、まだまだ個人、チームとしても足りないところはあると学べた良い機会となりました」とリーグ戦を総括しました。
これからは自分たちが最上級生として、チームをまとめる立場となりますが、遠藤選手は次のように意気込んでいます。「今の3年生はどんなことにも全力で、辛い時でもみんなで声を掛け合ってチームを引っ張っていました。試合に出られない3年生も練習中に全力でチームのためにやってくれるなど、本当に良いお手本でした。自分たちの代も、みんなでチームのためにやっていきたいです」
個人としては「試合中にコミュニケーションが十分に取れていない時は、自分が率先して引っ張っていく。シュート力をもっと身に着けて、チームが苦しい時に流れを変えられる選手になりたいです。ドライブに行ってもシュートに持ち込めない時があります。シュートの波も少なくして、ファウルをもらっても決め切る選手になりたいです」と、チームの中心選手としての自覚を語ります。
県立郡山商業で実績を残した松本コーチの下、今年の県立光南は初の全国大会出場を勝ち取って、大きな壁を乗り越えました。松本コーチは、3年生の頑張りをあらためて称えます。「ゼロからスタートしたチームですが、今の3年生が学校生活から中心となって、歴史を作る思いで取り組んでくれました。結果も出してくれて、それを1年生、2年生はより確かな力に変えていってもらいたいです」
3年生が開いた全国への扉を閉じさせないため、遠藤選手を筆頭に新チームは強い覚悟を持って来年の戦いに臨みます。
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