「U18日清食品トップリーグ2025」もいよいよ最終週。11月15日(土)、国立代々木競技場 第二体育館で行われた第2試合は、慶誠(熊本県)と精華女子(福岡県)という九州勢同士の顔合わせとなりました。6月の九州大会では精華女子が勝利しており、慶誠にとっては雪辱を果たしたい一戦。一方の精華女子にとっては、勝てば4位以上が確定し、来年度の「U18日清食品トップリーグ2025」出場権獲得が決まる重要な試合となりました。
立ち上がりから、試合をリードしたのは精華女子でした。この日は大黒柱の#44アキンデーレタイウォ・イダヤット選手(3年/189cm)に代わり、1年生のブバアイシャエジネ選手(1年/188cm)がスタメンにエントリー。そのアイシャ選手が速い展開から高さを生かして得点を量産し、タイウォ選手も途中交代でパワフルなプレーを披露しました。
ただ、慶誠も黙ってはいません。14-23で入った第2クォーター、#77西本未来選手(3年/160cm)や#1陽本麻生選手(3年/170cm)の3ポイントシュートで息を吹き返し、開始4分には#24フェイバヘンリー選手(2年/184cm)のシュートで2点差に迫ります。そこからはきっ抗した展開。慶誠は逆転には至らず、32-39と7点ビハインドで前半を折り返します。
後半も、精華女子が逃げ、慶誠が追い掛ける展開が続きました。前半の点差そのままに第4クォーターに突入し、慶誠は#17澤田樹奈選手(3年/163cm)が攻撃を引っ張って逆転を狙います。しかし、この勝負どころで主導権を握ったのは精華女子。アイシャ選手がファストブレイクで得点を重ね、#7森田栞名選手(3年/160cm)や#9吉川愛未選手(3年/161cm)が3ポイントシュートで追撃しました。
慶誠は最後の最後で突き放されてしまい、最終スコア60-72でリベンジはならず。右田卓也コーチは「九州大会では失点が課題だったので、そこは少し成長できたと思います。ただ、40分間徹底して守ることはできませんでしたし、オフェンスも停滞する時間帯がありました」と、手応えを課題の両方を手にした様子でした。
この試合、ベンチから出場して試合の流れを変える役目を担ったのが3年生の西本選手。「バスケが大好きで、こちらが止めるくらいでないとずっと練習し続ける。まるで、体育館に住んでいる選手です」と右田コーチが評するチーム一の努力家です。しかし西本選手は、U18日清食品トップリーグの開幕前日のケガで戦線離脱。ようやく復帰できたのは、先週の第6戦でした。西本選手はこう語ります。
「リハビリの間はチームに留守番で、試合の配信を見ながら『いいなあ、あの舞台に立ちたいなあ』とうらやましく思っていました。ケガをして試合に出られることは当たり前でないと分かったので、やっと復帰できて、とにかくバスケができることが楽しいです」
そんな西本選手は、キャプテンの澤田選手とクラスも3年間一緒で、いつもバスケのことを話し合ってきた仲だそう。西本選手が復帰した第6戦は、逆に澤田選手の方が受験で不在だったため、今日の試合がこのU18日清食品トップリーグでは初の共闘となりました。「澤田さんのアシストで私が3ポイントシュートを決めたら、『お互い指を差し合おうね』と約束していたんです。今日の前半、澤田さんのアシストから私がスリーを決めて、指を差し合うことができて良かったです」と笑顔で語ります。
西本選手の復帰によって、ベンチの層もさらに厚くなった慶誠。右田コーチは「西本自身、調子に波のある選手なのですが、チームが悪くても彼女だけは良い、ということが今までもよくありました。マイペースというか、チーム状況にあまり左右されない選手。だからこそ、ベンチから出てきて流れを変えてほしいです」と期待を寄せていました。

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