2か月半にわたり熱戦が繰り広げられた「U18日清食品トップリーグ2025」も、ついに最終週を迎えました。11月15日(土)の最終戦は、国立代々木競技場 第二体育館が満員となる中、京都精華学園(京都府)と桜花学園(愛知県)が優勝をかけて激突しました。
桜花学園は7点差以上での勝利が優勝条件。一方、京都精華学園は7点差以内の敗戦でも優勝が決まる状況でしたが、「自分たちの手で勝ってタイトルを取りたい」と果敢に試合に挑みました。
先制点は、京都精華学園#6石渡セリーナ選手(3年/178cm)。オフェンスリバウンドからバスケットカウントを決め、チームを沸かせます。京都精華学園はその後もインサイドにボールを集めて強みの高さを生かし、ファウルを獲得しながらリードを広げます。第1クォーター終了時点で25-13とリードし、第2クォーター序盤には#9高山留里那選手(2年/164cm)のレイアップシュートで最大17点差まで突き放しました。
ただ、第2クォーター中盤から第3クォーターにかけて、桜花学園が反撃。#7勝部璃子選手(2年/177cm)が3ポイントシュートで流れを変え、途中出場の#5山田桜来選手(3年/160cm)が積極的なディフェンスで相手のターンオーバーを誘発。さらに#4濱田ななの選手(3年/161cm)が要所で3ポイントシュートを沈め、桜花学園がじわじわと追い上げます。
第3クォーター終了時点で57-51と、京都精華学園のリードは6点にまで縮まりました。しかし、ここから再び京都精華学園が踏ん張ります。夏の全国大会でベスト8に終わった悔しさをバネに、この秋、例年以上の走り込みで鍛えてきた彼女たちの足は止まりません。#12谷彩南選手(2年/172cm)、#13満生小珀選手(2年/167cm)ら下級生ベンチメンバーの活躍もあり、再びリードを拡大。最終的には79-66で桜花学園を突き放し、栄えある優勝を果たしました。
京都精華学園は前人未到の3連覇を達成。今年から新たなチャンピオントロフィーが表彰式で授与され、山本綱義監督は「これほど輝き、重みのあるトロフィーはありません。毎年出場していますが、年々大会の重みが増しています。感無量です」と語り、「プレッシャーもありインターハイはベスト8でしたが、厳しい練習に付いてきてくれた選手たちのおかげでこうした結果を残せて本当にうれしい」と喜びを口にしました。
主力に下級生も多い今年のチームを、キャプテンとして支えたのが#4坂口美果選手(3年/176cm)です。京都精華学園では毎年山本監督の指名でキャプテンが決まりますが、「今年は特に決めるのに悩みました」と山本監督は明かします。それでも、昨年の3年生たちの意見も参考にしながら坂口選手を任命。「彼女の持ち味は、一生懸命さです」と山本監督も評価するとおり、坂口選手はスタッツこそ目立ちませんが献身的なプレーでチームを支えています。
坂口選手自身も、夏以降は「まずはオフェンスで走るのではなく、ディフェンスで。みんなが見えない泥臭い部分を自分が、という強い気持ちで、日々の練習から意識して取り組んできました」と語ります。
一方で山本監督は、坂口選手に対して「キャプテンという役職は、監督と選手をつなぐ橋渡し役。時に解釈の違いも起きるので、そこはまだ成長が必要です」とさらなる飛躍に期待を寄せていました。

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