「U18日清食品トップリーグ2025」もついに最終週を迎えました。11月16日(日)、国立代々木競技場 第二体育館で行われた第1試合は、仙台大学附属明成(宮城県)と美濃加茂(岐阜県)の一戦です。
仙台大学附属明成にとっては、上位4チーム入りの望みをつなぐために、どうしても落とせない一戦。序盤から#10荻田航羽選手(3年/190cm)が3ポイントシュートやフリースローで試合をリードし、ルーキーの#14尾澤武義選手(1年/189cm)も美濃加茂#6オラインカ オロラデ選手(1年/200cm)相手に体を張ったディフェンスを見せました。開始5分で17-4とリードを広げ、美濃加茂に早々とタイムアウトを要求させます。その後もベンチメンバーの活躍が光り、31-8と圧倒的な展開で第1クォーターを終えました。
第2クォーターは美濃加茂#5渡辺陽翔選手(3年/180cm)らにペースを持っていかれ、11-17とやや押し返される場面も。しかし第3クォーターは、#4小田嶌秋斗選手(3年/165cm)の2本の3ポイントシュートで再び勢い付き、#12三浦悠太郎選手(3年/188cm)もアグレッシブなディフェンスから速攻につなげ得点を量産。さらにリードを広げた仙台大学附属明成が最後まで主導権を渡さず、最終スコア92-61で美濃加茂を下しました。
この試合、チーム最多の33得点を記録したのが三浦選手です。実はこのU18日清食品トップリーグの期間は、自分のプレーについて「悩むことも多かった」と明かします。「(福岡大学附属)大濠戦や福岡第一戦、東山戦では相手の勢いに押されて弱気になり、シュートにいくことをやめてしまいました。(畠山)俊樹さんからも『お前はどういうプレーをするんだ』と問い掛けられていましたし、この間の県予選でも、自分らしいプレーはできませんでした」と振り返ります。
そんな中で迎えたこの一戦。「今日は『絶対にやってやる』という気持ちが強かったです。前半はシュートを決めることができませんでしたが、うちにはリバウンドを取ってくれる仲間がいるので、仲間を信じてプレーできました」と、特に後半から吹っ切れたようなプレーを見せました。
また、苦しんだ時期の支えとなったのは、バスケットボール一家でもある家族の存在でした。元能代工業高校(能代科学技術高校)キャプテンの三浦祐司さんを父に持ち、上の姉の舞華選手はトヨタ自動車アンテロープスで、下の姉の瑞貴選手は日体大でプレーしています。「家族からの励ましもありましたし、父も姉たちも、全員努力を惜しまない選手。自分だけがそれを怠るのは、家族を裏切ることだと思いました。そんな思いと、身近な人たちへの感謝を意識してプレーしました」と話します。努力し続けること、そして勇気を持って攻め続けることが自分らしさだと再認識したようです。
さらに今大会では、ディフェンス面でも成長の手応えがありました。以前は勢い余ってファウルトラブルに陥ることも多かった三浦選手ですが、「俊樹さんからは、『頑張り過ぎて抜かれたりファウルするのは、良いプレーとはいわない』と指導され、体は動かすけれど頭は冷静でいる意識を持つようになりました。練習中も(小田嶌)秋斗や(新井)慶太といった素早い選手に付いていたので、他チームのスコアラーたちも怖くないと思えました」。ディフェンス面で冷静な判断力を培えたことは、スティールで平均3.14本というリーグ屈指の数字を残したことにも表れています。
仙台大学附属明成は全7試合を戦って4勝3敗。「今日の試合も、ミスが連続したときに悪い流れを断ち切れず、自分たちで立て直せないのがまだ精神的な弱さ。もっと大人にならないと、このままでは日本一は難しい」と畠山俊樹コーチはさらなる成長を求めているからこそ厳しい評価を下していました。選手一人ひとりが課題と手応えを得た今大会を経て、チームはさらなる高みを目指し、歩みを止めません。
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