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U18日清食品リーグ

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「マインドセットをしっかりとしてからコートに入る」
鳥取城北 #7 豊村豪仁

国立代々木競技場 第二体育館で行われた「U18日清食品トップリーグ2025」最終週の男子第2試合で、鳥取城北(鳥取県)と八王子学園八王子(東京都)が激突。今夏のインターハイ決勝の再戦とあって、多くの観衆が見守ります。

先手を取ったのは八王子学園八王子。#6 照井昇太朗選手(173cm/3年)や#11 花島大良選手(180cm/3年)のレイアップなどで先行すると、守っては得意の1-3-1ゾーンで鳥取城北の得点をシャットアウト。対する鳥取城北も反撃に転じたいところでしたが、なかなかアウトサイドシュートに当たりが来ず、第1クォーターで8-21と大差を付けられてしまいます。

第2クォーターに入ってもシュートタッチが定まらない鳥取城北に対して、八王子学園八王子は#13 畠山颯太選手(174cm/3年)のレイアップ、#0 ニャン セハ セダト選手(203cm/2年)のゴール下、花島選手の3ポイントシュートなどで着実にスコア。ハーフタイムを挟んだ後半戦も流れは八王子学園八王子にありました。鳥取城北は前週の福岡第一(福岡県)戦では30本中11本の高確率(36.7%)で射抜いた3ポイントシュートが、この試合は1本のみの成功(1/35で成功率2.9%)にとどまったことが大きく響き、最終スコア38-55。

シュートが入らない試合でもディフェンスから活路を見いだすのが今年の鳥取城北の強みでしたが、この試合ではそこもうまくいかず、スコア的にも内容的にも完敗と言っていいでしょう。

しかし、劣勢の展開で終始冷静にプレーした選手が一人。3年生の#7 豊村豪仁選手(184cm)です。

「最終戦だからといって、やること変えてしまったらダメです。チームとしてすべきこともそうだし、個人としてもそう。新たなことに挑戦するんじゃなくて、自分のできることを40分間やり続けました」

こう振り返るように、彼はチームがかみ合わない時間帯に淡々とリバウンドを拾い、特に前半で記録した7本はいずれもオフェンスリバウンドでした。また、ボールムーブが停滞し気味だったハーフコートオフェンスでも、積極的にパスを散らしてチームを動かす意志をプレーに乗せました。

流れが悪い時間帯に自分の仕事にフォーカスする。それは言葉にするほど簡単なことではありません。

だからこそ、豊村選手は意識的にそのマインドセットを作って試合に臨むと言います。「シュートが入らなくてもリバウンドを取ったり、その後のディフェンスを頑張ったりすることで良い流れを生み出すことができます。この試合はみんながシュートが入らくて焦ったりと、いつものマインドセットでプレーできていなかったと思うんすけど、チームメイトには『思い切ってシュートを打っていい』と言っているし、それが外れても僕がリバウンドを取るだけです。試合前には自分のやることを意識的に整理して、マインドセットをしっかりとしてからコートに入るようにしています」

一貫性と再現性──豊村選手のプレーは決して派手ではありませんが、この試合の14得点、15リバウンド(うちオフェンスリバウンド10本)、2アシスト、0ターンオーバーというスタッツを見れば、彼がチームにとっていかに価値の高いプレーヤーであるかは一目瞭然。心身ともにブレない芯の強さは、豊村選手の最大の武器と言えるでしょう。

鳥取城北にとっては悔しい「U18日清食品トップリーグ2025」の締めくくりになりました。その事実は変えられません。だからこそ、ここで彼らがどうマインドセットをし直して、歩みを進めるのか。豊村選手がその鍵を握っているのかもしれません。

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