「U18日清食品トップリーグ2025」もいよいよ最終週。11月16日(日)の第3戦では、東山(京都府)と帝京長岡(新潟県)の一戦が行われました。帝京長岡にとっては今大会初勝利が、一方の東山にとっては優勝が懸かる大一番。国立代々木競技場第二体育館には多くの観客が詰めかけ、試合は白熱の大接戦となりました。
先制点は東山#5佐藤凪選手(3年/176cm)が速攻からねじ込んだドライブ。#14中村颯斗選手(2年/178cm)の得点も続いて東山がリズムをつかみますが、帝京長岡も#7赤澤翔心選手(3年/180cm)が冷静にシュートを沈め、#6田巻彪雅選手(3年/187cm)の3ポイントシュートも決まって食らい付きます。第1クォーターを17-17の同点で終え、以降の第2、第3クォーターも拮抗した展開が続きます。
#9藤田珀選手(2年/189cm)のレイアップが決まって帝京長岡が逆転し、52-51と1点リードで第4クォーターへ。その後も全く点差の離れない展開が続きますが、この勝負どころで先に抜け出したのは帝京長岡でした。#15ジョベ パ マリック選手(1年/202cm)のリバウンドシュート、赤澤選手の連続得点で残り5分には66-59と7点差を付けます。
その後、東山は佐藤凪選手の個人技などで1点差まで迫りますが、帝京長岡も赤澤選手が要所で得点。さらに佐藤凪選手も意地を見せて得点を返すものの、なかなか追い付くことができません。帝京長岡は5点リードしていた残り44.9秒で、佐藤汰頼選手が勝負を決定付ける3ポイントシュートに成功。ファウルゲームを仕掛けてくる東山を振り切り、77-69で悲願の白星をつかみました。
帝京長岡にとっては、長いトンネルを抜ける今大会初勝利。それも優勝争いをする東山から奪った価値ある1勝です。エースの赤澤翔心選手は「相手は優勝候補で、周りは帝京長岡が負けるだろうと思っていたと思います。僕らは県予選も開志国際さんに負けて、悔しい気持ちをいままでたくさんしてきたので、最後はしっかり勝って締めようという気持ちで戦いました。めちゃくちゃうれしいです」と感無量の様子でした。
赤澤選手は18得点、11リバウンド、5アシストの大活躍でチームをけん引。一方で、同じく18得点、5アシストをマークし、終盤の3ポイントシュートを含めて大きな爪痕を残したのがガードの佐藤汰頼選手です。
神奈川県出身で、東山の佐藤凪選手とは小学生の頃からともに選抜チームなどでプレーした旧知の仲。中学時代は横浜ビー・コルセアーズU15に所属し、共にスタメンとしてJr.ウインターカップ2022-23の決勝戦のコートに立ちました。
「今もしょっちゅう連絡を取り合うほど仲が良くて、幼なじみという感じです。絶対に負けたくなかったし、この試合に懸ける思いは誰よりも強かったと思います」と明かす佐藤汰頼選手。一方、東山の佐藤凪選手も「3年間ずっと対戦したいと思っていたのですが、今まで一回も対戦できなくて。この舞台で汰頼と戦えたということがうれしいですし、特別なこと」と話します。
念願かなっての対戦で、2人はマッチアップしながらバチバチと火花を散らしました。結果的に佐藤凪選手が23得点、佐藤汰頼選手が18得点。特に佐藤汰頼選手は、ライバルへの負けられない思いがパフォーマンスを最大限に引き出したようです。
もともと得点力が持ち味の佐藤汰頼選手ですが、今大会は調子を崩してスタメンを外れた時期もありました。ただ、「点が取れなくてもディフェンスやアシストなど、果たせる役目はある」と意識し直したことが、スランプを抜け出すきっかけになったそう。高校に入って身に付けたというディフェンスへの意識が、オフェンスの良いリズムにつながっていたようです。
リーグ最終戦で価値ある1勝を挙げた帝京長岡。佐藤汰頼選手、赤澤選手を含めて4人が2桁得点を挙げ、ディフェンスでも一人一人が集中を見せました。この7試合の中でベストゲームともいえる試合で大会を締めくくり、大きな自信と希望を手にした様子。ここで得た経験を胸に、さらなる高みを目指していきます。
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