11月3日、県立山形中央(山形県)は県立湯沢翔北(秋田県)と対戦。ここまで「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループA」で負けなしの相手に63-76で敗れましたが、最後まで食らい付く粘りの戦いを見せました。
この試合での県立湯沢翔北はシュートタッチが良く、効率良く得点を重ねてリードを奪います。これに対して県立山形中央は激しいディフェンスからの速攻、ガード陣の積極的なドライブで反撃。第3クォーターに突き放されるも再び押し返し、第4クォーターは21-12と上回りました。
この試合の1週間前、県立山形中央はウインターカップの県予選で敗れました。モチベーションを維持するのは簡単な状況ではありませんでしたが、「U18日清食品ブロックリーグ2025」と皇后杯を残しており、3年生はそこまでプレーを続けることを決めました。茂木卓矢コーチは「集大成としてやらせてあげたい」と語り、チームは新たな目標を設定することで気持ちを立て直し、強豪相手に意地を見せました。
キャプテンの矢萩詠奈選手は、「前半は良いオフェンスができて、ゾーンディフェンスも機能しましたが、後半に入って点数が伸びなかったのが課題でした」と試合を振り返ります。
結果として負けただけに満足はできませんが、自分たちらしいバスケは展開しました。「ウインターカップ予選で出せなかった自分たちの強みを出し、声を掛け合ってみんなで気持ちを高めていくことはできました。予選で負けた直後はメンタル的にも落ちていましたが、最後までみんなで戦いたい思いが強かったので、気持ちを切り替えて今日の試合をしっかり戦うことができました」
ここまで1年間、チームを引っ張っていた矢萩選手は、後輩に受け継いでもらいたい県立山形中央らしさをこう語ります。「このチームは学年関係なく、みんなで練習から切磋琢磨してきました。これからも、下級生が積極的に意見を言える一体感のあるチームであり続けてほしい。当たり負けしない身体作り、厳しい練習を笑顔で乗り越えて試合で楽しんでほしいです」
この学年を超えた仲の良さについては、茂木コーチも「ウチは上下関係がありません」と話します。「昨日も渋滞があって移動にものすごく時間がかかりましたが、学年関係なく集まってゲームをやっていたりしました。そういう雰囲気を大切にして、かつ切磋琢磨していきたいです」
あと少しで高校バスケ生活を終える矢萩選手に、どんな3年間だったのを聞くと「日々の練習で辛いこともありましたけど、笑顔で一緒に練習に励んだ仲間たちがいたことで乗り越えられました。いろいろな個性がある中、それをどう一つにまとめていくのか。それはバスケットボールに限らず、社会に出ても組織の中でリーダーシップを取ることに生かせると思います」と笑顔を見せてくれました。
皇后杯セカンドラウンドでの県立山形中央は、初戦で八戸学院大学に65-57で勝利。2回戦で仙台大学と対戦すると、一進一退の激闘を演じて55-61の惜敗となりました。仙台大学は県立山形中央の卒業生が中心としてプレーするチーム。上下関係のないチームで先輩だった選手たちと対戦し、大学生相手にも通用する力を示しました。
それでも、県立山形中央の戦いはまだ終わっていません。12月7日に「U18日清食品ブロックリーグ2025」の最終戦で一関学院(岩手県)と対戦します。矢萩選手は「入りは今日のように元気良く、後半もしっかりと走ってシュートを落とさずに勝ちたいです」と意気込みます。県立山形中央は最後まで高いモチベーションを保ち、リーグ戦を戦い抜いて有終の美を飾るつもりです。
この記事をシェアする