「最大の目標は入替戦を勝ち抜いて、来年の『U18日清食品トップリーグ2026』に出場することです」。そう力強く宣言するのは京都精華学園(京都府)の山崎翔一朗コーチです。京都精華学園は昨年の「U18日清食品トップリーグ2024」を1勝6敗の最下位で終えました。今年は中国や九州の強豪校がひしめく「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループF」に出場し、「トップリーグに返り咲く」を合言葉にチーム一丸で戦っています。
「入替戦に出場するためにも、なるべく点差をつけて圧倒していきたい」という山崎コーチの言葉通り、京都精華学園はブロックリーグの開幕から快進撃を見せます。県立広島皆実(広島県)など中国地方のチームと対戦した9月の4試合は全勝し、得失点差は+133。どの試合でも40分間ハードワークを続け、最後まで走りきって大量得点を奪いました。
無敗のまま迎えた11月15日には、県立松江東(島根県)と対戦。「ウチの最大の強みは選手層」と山崎コーチが胸を張るように、この日はスターターに下級生が4人も名を連ねました。3年生は竹村寅治郎選手だけで、2年生はポイントガードの山崎燦吾選手、フォワードコンビの杉原拓選手と佳咲凱雅選手、そして1年生のオチレベ アレクサンダー選手です。
試合後に杉原選手が「今年のチームカラーは堅いディフェンスから走ること」と語った通り、この日もティップオフから強度の高いディフェンスを徹底し、がっちりと試合の主導権をつかみます。強烈なプレッシャーで相手のパスミスやタフショットを誘い、シュートを打たれてもアレクサンダー選手がリバウンドを制し、いずれもスピード自慢の山崎選手、杉原選手、佳咲選手が素早いトランジションから得点を重ねていきます。
第1クォーターで31-11の大量リードを得ると、前半を終えて62-29と松江東を圧倒。第4クォーターはベンチメンバーに試合経験を積ませつつ、最終的に99-59で勝利しました。これで無傷の5連勝、得失点差は+177まで伸ばしました。
ブレイクから何度もリングへと走った佳咲選手は、「一人ひとりがやるべきことをやれました」と充実の表情を見せます。その佳咲選手について山崎コーチは「外せない選手になってきている」と評価しています。「チームで一番大事にしているトランジションでしっかり走り、どれだけ走ってもシュートを決めます。なおかつディフェンスも強度を落とさずにやり続けてくれます」と称賛を送ります。
また杉原選手についても、「途中からコートに立つ試合も多いですが、しっかり活躍して得点を重ねてくれます」と高評価。「両手でリングをつかめるほど身体能力が高く、ビッグプレーもできますが、最近は派手なプレーに走らず、やるべきプレーをやっています。状況判断も良くなってきています」と杉原選手の成長ぶりに目を細めます。
京都精華学園の2年生には他にも多士済々なメンバーが揃っています。3ポイントシュートを含め多彩な得点パターンを持つ善山奏介選手、オールラウンダーの木下梁選手、195cmの高さを誇るビッグマンの中村太優選手が、それぞれ「U18日清食品ブロックリーグ2025」で試合経験を積みながら成長しています。このチーム状況に「9月からチームの底上げができ、競争も活性化しています。これからもっともっと面白いチームになっていきます」と山崎コーチは自信をのぞかせます。
杉原選手と佳咲選手はもちろん、3年生になる来年のトップリーグを見据えています。「僕たちの目標は全国制覇で、そのためにも来年は絶対にトップリーグで戦いたい」と佳咲選手が言えば、杉原選手は「京都精華学園のバスケは何度も全国優勝している女子が有名で、その状況は悔しいです」と女子バスケ部へのライバル心を明かしました。
京都精華学園の「U18日清食品ブロックリーグ2025」は残り2試合。11月23日に九州学院(熊本県)と、12月7日に県立宗像(福岡県)と対戦します。この2試合にも勝ちきり、全勝優勝で入替戦へと進めるか、京都精華学園の戦いから目が離せません。
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