「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループE」女子は京都両洋(京都府)が7戦全勝で優勝を決めました。吉田聡コーチは開幕を前に、「自分たちのバスケに深みを持たせる大会にしたい」と抱負を語っていました。
その深みとは、選手一人ひとりが強豪相手との試合経験を積むことで成長し、チームとして戦い方の幅を広げることを意味します。京都両洋は昨年、「U18日清食品トップリーグ2024」に出場しました。その時にレギュラーとしてプレーしたのは3年生4名と当時2年生のヴィクトリア ウビ オコイ選手でした。そのため今年のチームで試合経験が豊富なのはヴィクトリア選手のみで、今夏のインターハイへの出場もかなわず、「経験の浅いチームにとっては、一戦一戦が試合経験を積む貴重な機会になります」と吉田コーチは語ります。
次に対戦するチームをスカウティングし、その試合にアジャストすべく日々の練習を積み上げていく。多くの1、2年生をコートに送り出しながら、一戦一戦を丁寧に戦っていきました。
キャプテンの藤田瑞木選手は胸を張ってこう語ります。「先生が対戦チームの映像をまとめ、選手みんなでそれを見ながら対応策を練って戦いました。リーグ戦の序盤は上手くいかないこともありましたが、試合を重ねるにつれて、試合の中での修正力や対応力が身に着いたと思います」
今大会の初戦となった9月7日の尼崎市立尼崎(兵庫県)戦こそ、やや硬さが見られて辛勝となりましたが、その後は安定したパフォーマンスを発揮。優勝へ向けた大一番となった6試合目、11月8日の名古屋経済大学高蔵(愛知県)戦は、成長を印象づける一戦となりました。
前半を終えて43-24とリードを奪ったものの、後半に入ると名古屋経済大学高蔵のオールコートプレスに苦しみます。一気に点差を縮められましたが、ヴィクトリア選手を中心としたインサイドの攻撃、そこからアウトサイドへの展開など多彩なオフェンスで踏ん張り、73-71で勝利しました。藤田選手は笑顔でこう語ります。「今年の新人戦など2点差で負けることが多かったのですが、そこから毎日の練習で積み上げてきて、この試合を2点差で勝つことができました。チームの成長を感じられてうれしいです」
もちろん他の7チームもそれぞれが一戦一戦を全力で戦い、成長を遂げています。「U18日清食品ブロックリーグ2025」に初出場となった樟蔭(大阪府)は、6勝1敗の好成績を収め2位となりましたが、最終戦ではドラマがありました。
11月24日、2位の座を懸けて鳥取城北(鳥取県)と対戦。樟蔭はウインターカップの大阪府予選で敗れたため、3年生にとっては引退試合です。全国でも実績を残す鳥取城北に素早いトランジションと、練習から磨き上げてきた合わせのパスで挑み、得点が入るたびに応援に駆け付けた保護者から歓声が上がります。一進一退の攻防のまま迎えた残り7秒で決めた逆転シュートにより、88-87で劇的勝利。コート上には涙を流し、喜びを爆発させる樟蔭の選手たちの姿がありました。
リーグ戦の開幕当初、樟蔭の3年生、丹羽愛奈選手はこう言っていました。「自分たちは最後に笑って終われるチームだと信じています。3年生全員が悔いを残さずにやりきるためにも、一戦一戦を全力で挑んでいきます」。まさに有言実行、日々の練習や試合に全力で挑んできたからこそ手にしたメモリアルな1勝になりました。
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