2年連続のインターハイ出場に続き、「U18日清食品ブロックリーグ2025」に初出場となった近畿大学附属(大阪府)は、ウインターカップの大阪府予選で敗れたものの、気持ちを切り替えて「U18日清食品ブロックリーグ2025」の最後の2試合に挑みました。
相手は奈良育英(奈良県)と光泉カトリック(滋賀県)。山本悠真ヘッドコーチは、この2試合に向けての意気込みをこう語ります。「ともに力があり、県を勝ち抜いてウインターカップに出場します。その2チームを倒すことで、ウチも全国の舞台に立てる力があることを証明したい。3年生にはそういう姿を下級生に見せて終わろうと伝えています」
奈良育英戦はティップオフ直後から山本ヘッドコーチの言葉を選手たちが体現します。強度の高いオールコートプレスで相手のミスを誘い、20-0と怒涛のランを見せます。その勢いのまま40分間を戦い切り、87-34と完勝を飾りました。シュート力やリバウンド、運動量、ペイントアタックでの創造性、ディフェンスの強度、あらゆる面で奈良育英を凌駕する試合運びを見せました。
3年生は全員、集中力を保って質の高いプレーを披露していましたが、中でも輝いていたのが大森仁碧選手と和氣宥希選手です。大森選手はフットワークを生かしたディフェンスやリバウンドでチームを支え、和氣選手は3ポイントシュートやアシストでオフェンス面を牽引しました。
試合後、大森選手は「ディフェンスから走るという自分たちのバスケットをした上で、点差をつけて勝てたのは良かったです」と納得の表情で語り、和氣選手も「チームで大事にしているのはバスケットを楽しむことです。思う存分楽しみながらプレーできました」と笑顔で語ります。その言葉通り、良いプレーが飛び出すとベンチメンバーや観戦に訪れた保護者を含めて大いに盛り上がり、全員でバスケを楽しむ姿が印象的でした。
完勝した勢いをもって臨んだ24日の光泉カトリック戦は、一進一退の攻防を繰り広げたものの、64-71で敗れました。それでも、2人は晴れ晴れとした表情でこう語ります。「3年間、みんなで厳しい練習を乗り越えてきました。ウインターカップの予選で負けた後も、こうしてみんなとバスケができてうれしいですし、感謝しています」と大森選手が語れば、和氣選手も「僕もみんなとバスケをするのが大好きなので、最後まで『U18日清食品ブロックリーグ』を戦い切ることができて良かったです」とにこやかに話しました。
最終的に近畿大学附属は3勝4敗、グループEの5位に終わりました。優勝した中部大学第一(愛知県)には41点差を付けられての完敗となりましたが、洛南(京都府)戦、明徳義塾(高知県)戦は敗れはしたものの健闘を見せており、リーグ戦を通じて堂々たる戦いぶりを披露しました。
2人はこの大会を戦った感想をこう語ります。大森選手は「コートをしっかり作ってもらった上での強豪校との試合は緊張感もあって、すごく良い経験になりました。チームとしても個人としても課題がたくさん見つかり、間違いなくレベルアップに繋がりました」と手応えを語ります。
和氣選手はより具体的に細部を突き詰める必要性を感じたと言います。「中部大学第一の選手はみんな大きくて、上を通そうとしたパスがカットされてました。でも、その試合から学び、それからはターンオーバーを減らすことができましたし、他にも3ポイントシュートの決定率も、この大会で上げることができたと感じています」
こうして彼らの高校バスケは幕を閉じましたが、これからも2人はバスケを続けていきます。大森選手は近畿大学へ進学し、和氣選手は海外でのプレーを模索しています。高校3年間で得たすべての経験を糧にして、2人のバスケ人生は次のステージへと続いていきます。
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