「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループA」で6戦全勝の県立湯沢翔北(秋田県)。チームの大きな武器は、柿崎愛泉選手と近藤愛莉選手のセンターコンビです。175cmの柿崎選手と173cmの近藤選手は、ともに下級生の頃から活躍が期待されましたが、近藤選手は1年時、柿崎選手は2年時に長期休養を要するケガをし、最上級生でようやく一緒にコートに立てるようになりました。
柿崎選手は近藤選手について「チームのムードメーカー。チームが沈んだ時に笑わせてくれるし、プレーも強気で負けん気があるところがすごく良くて、センターの相棒として頼もしい選手です」と語ります。
近藤選手も「柿崎選手は学校生活からすごく頭が良くて、プレーもしっかり考えながらやれる選手です。自分がボールを持ったら必ずいてほしい場所にいてくれます」と続けます。樋渡真コーチが「入学した頃からどことなくプレーが合っていた」と振り返る2人は、お互いがお互いにないものをコートで発揮し合える良きパートナーです。
11月30日の県立幕張総合(千葉県)戦では、柿崎選手はゴール下の粘り強いリバウンドとそこからのセカンドショットでチームを支えました。近藤選手はミドルシュートや柿崎選手へのハイ&ローのパスが光りました。
2人が絶えずコート内を動き回ったりスクリーンを掛けることでスペーシングを整え、そこに紀本心菜選手のペイントアタックや武田知花選手の3ポイントシュートを絡めるのが県立湯沢翔北のスタイル。高いスキルと対応力が求められるプレーが成立している要因は、プレーの起点となるセンターの2人の密なコミュニケーションにあります。
この日も、ゲームクロックが止まった時やハーフタイムに、2人は何度も言葉をかわしていました。「近藤選手がボールを持った時に、どうやって合わせればいいか一瞬迷って動けないプレーがあったのですが、すぐに『こうやって動いてほしい』とリコメンドしてもらいました」
柿崎選手はやり取りの一例をこのように教えてくれ、「近藤選手がスペースを生かしながらオフェンスを組み立ててくれるので、自分もそこにかかわりながら、近藤選手を支えていきたい」と連携をさらにブラッシュアップしていくつもりです。
今年の県立湯沢翔北は、初陣となった2月の東北新人大会で準優勝に終わったところからスタートしました。「悔しい形で終わってしまったので、6月の東北ブロック大会での優勝を目標にしたのですが、1回戦で負けてしまいました」と近藤選手は言います。このような悔しさが、ブロックリーグでの優勝への強い思いに繋がりました。
柿崎選手も思いは同じです。「自分たちの力が通用するという自信を持つために、ブロックリーグを勝つことは意味のあることです。ただ漠然と優勝を目標に掲げるのではなく、一戦一戦を勝ちきることを目標に頑張ってきました」
開幕戦の相手は聖和学園(宮城県)で、翌日の第2戦では東京成徳大学(東京都)と対戦。力のある2チームを立て続けに破ったことでチームは勢いに乗り、白星を重ねていきました。柿崎選手は「チームも個人も、リーグ戦を通じてまた強くなれたと思います」と手応えを語り、近藤選手も「ポストだけでなく外からの攻めもできるようになりました」と大会を通しての成長を実感しています。
県立湯沢翔北の本大会最終戦は12月7日の柴田学園大学附属柴田学園(青森県)戦。集大成となるバスケを展開し、念願のタイトルを手に入れられるか注目です。
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