11月29日、浜松開誠館(静岡県)は県立岐阜商業(岐阜県)との最終戦に70-79で敗れ、「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループD」の戦いを2勝5敗の6位で終えました。
今年のチームは3年生が少ない上に、この試合では2年生の主力である垣内優希奈選手、牧田知紘選手がケガをするアクシデントに見舞われました。苦しい台所事情の中、県立岐阜商業との試合は3年生でキャプテンの前川桃花選手、2年生の小林陽菜乃選手、そして1年生の舟久保汐選手、古屋和奏選手、吉田光咲選手がスターティングメンバーとして出場しました。
下級生の4人が「U18日清食品ブロックリーグ」でそれぞれ成長したところを見せる中、キャプテンの前川選手はハンドラーを担い、3ポイントシュートやドライブから連続得点を挙げるなどチームを牽引しますが、県立岐阜商業のオールコートのディフェンス、また3ポイントシュート攻勢に苦し、劣勢を跳ね返すには至りませんでした。
三島正敬コーチは「キャプテンが孤軍奮闘で、大変だったと思います」と前川選手を称え、「過去のU18日清食品ブロックリーグでもこれほど負ける経験はしたことがありません。自分たちの弱さを知って、それを次にどう生かすか。そういう意味では1、2年生には良い経験になったと思います」
前川選手もこのリーグ戦を通じて下級生の成長を感じていました。「特に2年生が成長できていると感じています。今までは2年生も1年生と同じで受身な部分が多かったんですが、特に小林は他の2年生がケガでいなくなったことで、『自分がやらなければ』という意識が芽生えてきたように感じました」
小林選手に話を聞くと、「桃花さんをサポートして、私が一緒に1年生を引っ張っていこうという意識は強くなりました。でもケガ人が出た中でもっと早く切り替えて、自分たち2年生がやらなきゃという気持ちにならなければいけなかったです。桃花さんの負担が大きすぎるので、もっと周りが動いて全員でゴールにアタックできるようにしたい」と話します。
さらに「明るさが持ち味の2年生が、練習でも明るい声を出して引っ張っていきたい」とも。試合後のコートでは、ケガで試合に出ていなかった垣内選手と牧田選手が、スタートで出場した3人の1年生にアドバイスを送る姿も見られました。試合に出ていた小林選手だけでなく、2年生全員にこれまでになかった自覚が芽生えているようです。
また1年生について、前川選手は「経験が少ない分、大事な局面が分からなかったり、まだまだ課題は多くあります。そこを自分たちがフォローすることで成長に繋がればと考えています」と話します。
試合の後半、前川選手はセンターの舟久保選手に意識的にボールを集める時間帯がありました。「外のシュートよりも中の方が確率も高いですし、舟久保はこれからチームの中心になっていかなければいけない選手なので、成長してほしいという思いがありました」と、その意図を明かします。
前川選手は自分が1年生だった頃を振り返り、「相手が3年生だとフィジカルで負けてしまうこともありました。でも、点が取れなくても、自分が得意なディフェンスでは頑張ろう、スコアに残らない部分で頑張ろうと考えていました。下級生にはそういう気持ちでプレーしてほしいと思いますし、泥臭いプレーの大切さを私の背中で見せていきたいです」
キャプテンの大きな背中から下級生が何を学び、どのように成長へと繋げられるか。下級生主体の浜松開誠館は、まだまだ大きな伸びしろを残しています。
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