県立宇部工業(山口県)は昨年に続いて「U18日清食品ブロックリーグ」に出場しました。昨年のリーグ戦で経験を積んだ選手たちが最上級生となった今年は、「3年生を主体にチーム力を強化していく目的で挑みました」と守田智コーチは話します。
昨年の「U18日清食品 中国ブロックリーグ2024」では、奮闘するも1勝3敗で5チーム中最下位に終わりました。今年は「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループF」で3勝を挙げ、8チーム中5位へとランクアップ。12月6日の最終戦では、県立宗像(福岡)との県立高校同士の対決を105-61で制して快勝。すべての対戦を終え、守田コーチは「大きな収穫がありました」と手応えを語りました。
「昨年は中国5県の戦いだったので顔見知りのチームが多かったのですが、今年は九州や近畿のチームと対戦できて良い刺激を受けました。私たちのような公立高校にとって、レベルの高い強豪校と対戦できる機会はありがたいこと。いつも選手たちには『公立高校でも全国の強豪相手に勝てるところを見せよう』と言っているので、このリーグ戦のおかげで、レベルの高いチームと対戦できて良い勉強ができました」
県立宇部工業を支えているのが、3年生エースの工藤慎一郎選手です。183cmと飛び抜けたサイズがあるわけではありませんが、点取り屋の役割に加え、リバウンドに跳び、ボール運びもこなします。1年生の時はチーム内のポジションの兼ね合いで身体を張ったインサイドのプレーがメインでしたが、学年が上がるごとにアウトサイドのプレーを覚え、今では何でもこなすエースへと成長しました。
そうしたオールラウンドなプレーができるようになった背景には、「この2年間のU18日清食品ブロックリーグでの経験が生きている」と本人は断言します。
「この2年間、ドリブルやシュートの自主練習をたくさんしてきましたが、練習だけでは上手くなったかどうかが分かりません。実際にリーグ戦の試合で試せたことで、アウトサイドのプレーに自信がついてきました。今ではインサイドでプレーすることは少なくなってきましたが、出ているメンバーによっては自分が留学生とマッチアップすることもあります。そうした時に相手の留学生を外に引っ張り出すプレーを試すことができ、すごく良い経験ができました」
守田コーチはエースである工藤選手のバスケに対する姿勢を「すごく一生懸命に取り組み、チームに良い影響を与えてくれる選手です」と称え、信頼をこう語ります。「外回りのプレーができるようになってきたので、次は自分たちよりレベルの高いチームと対戦したときや、苦しい時間帯にいかに自分のプレーを出していくかです。そのためにプレーの幅を広げるチャレンジができる選手です」
守田コーチの言葉を受けて、工藤選手も決意を新たにしています。「U18日清食品ブロックリーグで各県の上位チームと対戦して、自分たちがどれだけ通用するかを試しました。強豪チームとは高さ、身体の強さ、シュート精度に違いがが、去年よりは通用したと思います。僕はシュートのリズムをつかむまでが遅いことが課題なので、この2年間のU18日清食品ブロックリーグでの経験を生かして、中も外もできる選手になれるように、これからもレベルアップしていきたいです」
『公立高校の星』を目指して戦う県立宇部工業と工藤選手。「U18日清食品ブロックリーグ2025」で得た経験をもとに、これからも邁進していきます。
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