県立長崎西(長崎県)は「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループG」を1勝6敗で終えました。新チームで挑んだ11月29日の神戸龍谷(兵庫県)戦は56-58と僅差で敗れましたが、収穫の多いゲームとなりました。
相手ディフェンスを崩すことができずにビハインドが続くも、瀬戸口海選手の3ポイントシュートや1年生の杉村星唯菜選手による身体を張ったインサイドプレーなどで2ポゼッション差で食らい付き、残り35秒で同点に追い付きます。最後は敗れましたが、県立長崎西の粘り強い姿勢は光りました。
この日の県立長崎西はこれでもかと言うほどパスを繋いでいました。キャプテンの瀬戸口選手は「今大会では試合ごとに違うテーマを持っていて、今日の試合はオフェンスではパスコースを作ることを心掛けていました。今日は最後までみんなガツガツ頑張っていましたが、リバウンドやルーズボールの部分で相手より劣っていたので、それが最後の最後で出てしまったと思います」と試合を振り返ります。
田中佐和子コーチは選手が掲げるテーマについて「選手たち自身でオフェンスではここ、ディフェンスではここ、と責任を持って決めています。今日も掲げたテーマに対して最後までやり抜こうとする姿は見えました」と選手の姿勢を称えつつ、もう一歩ステップアップすることを求めます。
「今回は『パスコースを作り続ける』という目標を選手たちで決めたのですが、シュートチャンスを作るためのパスなのに、パスを繋ぐことに満足してしまって、前が空いてもシュートに行くことがおざなりになってしまいました。みんな『チームのために自分に何ができるか』を考え、苦しい状況でもディフェンスを頑張ります。でも、オフェンスではそれがシュートを譲ることになってしまう。気遣いはできますが『私に任せろ!』という気持ちが出てきません」
しかし、最初からすべて上手くいくわけではありません。新チームの良さを残しつつ、選手たちが自ら気付いて変化することを田中コーチは望んでいます。「自分たちで決めたことなので、今は失敗しても良いんです。やっていくうちに気が付くと思います」
県立長崎西の新チームは、「U18日清食品ブロックリーグ2025」を通じて得た学びを成長に繋げようとしています。瀬戸口選手は「ディフェンスの当たり方やダブルチームの勢いが全然違いました。ディフェンスでガツガツ当たってくる感じが違うので勉強になります」と収穫を語ります。
また、瀬戸口選手自身も新チームになってから「今までと違う感じが自分の中であります」と言います。「今はみんなチャレンジしていて、いろいろな攻め方や合わせ方があってプレーしていても面白いし、ベンチから見ていても今までと違う発見があります。みんなプレーを楽しんでいるし、簡単にはあきらめなくなりました。ミスをしても周りが声を出して『次、次!』と言い合って、チャレンジできるようになってきています」
県立長崎西は公立高校でありながらインターハイ14回出場、ウインターカップ7回出場の実績を持つ名門チームです。そんなチームのキャプテンを務めることになり、「プレッシャーはありますが、自分自身をもっと成長させるためにキャプテンになりました」と瀬戸口選手は言うと、今後の目標をこう語りました。
「3年生がいる時は支える側に回っていましたが、これからは自分たちの代です。プレーでも声出しの部分でも自分がチームを引っ張っていくような選手になりたいです」
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