東海大学付属福岡(福岡県)は「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループG」を7戦全勝で優勝しました。昨年は「U18日清食品トップリーグ2024」を戦ったチームにとって、ここでの優勝と来年3月の「U18日清食品トップリーグ2026入替戦」に勝って、U18日清食品トップリーグに返り咲くことが絶対的な目標でした。
ヘッドバンドがトレードマークのキャプテン、東口紅愛選手は「U18日清食品ブロックリーグで戦うからには全勝優勝して、良い経験を次に繋ぐことを目標にして戦ってきました。まずは全勝優勝ができて良かったです」と語ります。
宮崎優介コーチは結果だけでなく内容にもフォーカスし、「U18日清食品ブロックリーグ2025」を戦う中でチームをいかにレベルアップさせるかを考えてきました。「これまでの全国大会で四国のチームとの公式戦がほとんどなかったので、このグループに割り当てが決まった時は素直に楽しみでした。やっぱり各チームのスタイルに特徴があり、県立富岡東(徳島県)はアグレッシブに当たってくるし、聖カタリナ学園(愛媛県)はしっかり組み立てるバスケをします。こういったチームと戦う経験をする中で、柔軟性を身につけることができました」
東海大学付属福岡にとってこのリーグ戦は、様々なバスケのバリエーションを体感して学ぶ場であると同時に、チームの結束力を高める場でもありました。昨年は留学生のチャラウ・アミ選手がキャプテンを務めるほどチームの絶対的存在でしたが、新チームになってインサイドを任されるニエ カディジャ ファール選手はまだ2年生で、インターハイ出場を逃したことも含め、実戦経験にも乏しい部分がありました。
まだ暑さが厳しかった9月13日、東海大学付属福岡の「U18日清食品ブロックリーグ2025」初戦がグリーンアリーナ神戸で行われました。酪農学園大学附属とわの森三愛(北海道)に100-50の大勝を収めましたが、カディジャ選手がプレーが思い通りにいかないことにフラストレーションを露わにしても、チームメートが声を掛けにいかない場面があり、チーム内のコミュニケーションが十分ではないように見えました。
ただ、これも「U18日清食品ブロックリーグ2025」やウインターカップの福岡県予選を戦う中で克服していきます。東口選手は「私たちもアジャ(カディジャ選手のコートネーム)から求められることが多かったです。アジャにも私たちにも思うところはあって、意見の違いをぶつけながら、受け入れながらやってきました」と言います。
東口選手が強調したいのは、カディジャ選手は気性が荒いわけではなく、感情表現をするタイプだということ。「いつもムードメーカーとしてチームを盛り上げてくれるし、オフコートでも私たちを笑わそうとしてきます。アジャだけが特別なわけじゃなく、私たち全体が人数も多いし個性も強いので、チーム全員でお互いの長所を出すためのコミュニケーションを取っていこうとしています」
これは宮崎コーチも同じ考えでした。「アジャは精神的にすごく成長しているところです。試合をしていてフラストレーションを見せることもありますが、今の2年生で彼女ほど感情を出せる選手はいません。勝ちたいという気持ちがとても強いし、勉強熱心です。今回、徳島まで移動する間もずっとバスケの試合映像を見ています。普段の過ごし方やバスケへの向き合い方で、若干の温度差はあるかもしれませんが、彼女のバスケに対する熱い思いを周りの選手は感じてほしいし、特にこれから最上級生になる2年生は、自分の殻を破ってアジャぐらいコート上で気持ちを出せるようになってほしいです」
表彰式が終わった後には、カディジャ選手が率先して後片付けを行い、それを同じ2年生が手伝う和気藹々とした姿がありました。「U18日清食品ブロックリーグ2025」を戦った約3カ月、多くの試合と遠征を繰り返す中で、チームの絆は深まったようです。
来年3月の「U18日清食品トップリーグ2026入替戦」は彼女たち2年生がメインで戦います。宮崎コーチはこう言います。「10番の浜口ゆずと11番の東口、絶対的な個性を持つ2人が卒業しますから、誰がどういう役割を担うからこれから整えていくところです。東海大学付属福岡のエースナンバーである10番と11番を3月に誰が着けているか、それが私自身も楽しみです」
工藤結心選手、小浜結羽選手といった1年生も、このリーグ戦で台頭しつつあります。宮崎コーチはチームの成長に手応えを感じつつ、「U18日清食品トップリーグ2026入替戦」への必勝を期しています。「2年生が主体になりますが、1年生にも期待しながら、チーム一丸となって2年ぶりのU18日清食品トップリーグ出場を勝ち取りたいです」
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