8月23日、国立代々木競技場 第二体育館。「U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン1」で岐阜女子(岐阜県)と桜花学園(愛知県)による東海ブロックのライバル対決が実現しました。岐阜女子は前日の四日市メリノール学院(三重県)との初戦に続く2試合目。桜花学園はこの試合が、今大会の初陣となりました。
両者の置かれた状況は対照的です。岐阜女子は下級生主体のこれから伸び盛りなチーム。対して桜花学園は#4 勝部璃子選手(177cm/3年)と#5 竹内みや選手(161cm/3年)が最上級生となり、勝負の年を迎えています。先行したのは桜花学園。竹内選手の鮮やかなノールックパスや勝部選手の3Pシュート、ハイポストやコーナーからの小玉愛莉選手(168cm/3年)の得点などでスタートダッシュに成功。岐阜女子のゾーンディフェンスをうまく崩し、第1クォーターで23-9と大きく前に出ます。
一方の岐阜女子は、前日の試合でポイントガードの小池夏歩選手(166cm/2年)とフォワードの神谷和選手(176cm/1年)の先発2人が負傷退場するアクシデントもあり、苦しい立ち上がり。なかなか反撃の糸口をつかめない中で、1、2年生を積極的に起用していきます。
そのうちの一人が#5 小沢すみれ選手(163cm/2年)です。
桜花学園の強度の高いディフェンスに攻めあぐねる場面が目立ったチームの中で、彼女は「自分が点を取りにいかないとチームも流れに乗らないと思ったので、積極的にドライブやリバウンドにいって流れを与えられたら」と果敢にアタックし、自らのレイアップやゴール下の合わせなどで奮闘します。ベンチからの登場で前半は6分11秒の出場にとどまりましたが、その時間の活躍が評価されて後半は先発に抜てき。チーム初得点を3Pシュートで決め切るなどトータル14分37秒の出場で7得点、4リバウンド。常にアグレッシブにプレーする姿が印象的でした。
そんな小沢選手ですが、当初は開幕週への出場は予定していなかったと言います。安江満夫コーチは「昨日の試合で小池がケガをして、ガードのポジションが手薄になっていました。次の週で小沢にもチャンスを与えようとは元々考えていたのですが、急遽、昨日の夜に彼女に東京まで来てもらって、その機会が少し早くなったという感じです」と説明します。
小沢選手は昨年の5月に左膝に大ケガに見舞われ、復帰したのは年明け。以降もなかなかコンディションが整わずにインターハイは応援席からチームを見守りました。そんな経緯と昨夜の急遽招集という難しい状況に、安江コーチも「彼女にはまた違ったプレッシャーもあったと思いますし、少し酷だったかもしれない」と慮ります。
それでも小沢選手にとってはまたとないチャンス。「今回すごく貴重なチャンスをもらったので、モノにしたい気持ちは強かった」という意識が、この試合のプレーに表れました。しかし──試合を終えての自己評価は厳しいものでした。
「(後半の初めに)3Pシュートを1本決められたときには『いける』と思ったんですけど、自分の中では課題の方が多かったです。3ポイントシュートの確率の低さや、フリーで抜けているのに最後のレイアップを決め切れないとか、それは自分の弱さでしかないので。すごく良い環境でやらせてもらっているので、それを有効に使ってこれからも練習していきたいです」
先に記した出場時間は、岐阜女子に入学して以来の公式戦での最多出場時間。与えられたチャンスを「モノにできたのかは分からない」と小沢選手は最後まで自身のパフォーマンスに合格点は与えませんでしたが、それは彼女が自分にそれだけの期待をしていることの裏返しでもあります。安江コーチも「もう少しできるはず」と小沢選手の更なる活躍に期待を寄せていました。
肝心の試合は33-78の完敗。日々誰よりも長く自主練習に励むようにしていると話していた小沢選手ですが、実際に公式戦のコートに立って桜花学園のような強豪と対峙すると「質の良い練習をするようにはしているんですけど、それを試合で出すことの難しさを感じました」とイメージと現実のギャップを痛感しました。
ただ、それはコートに立って初めて分かることでもあります。彼女自身もまだ2年生。この先、今回の試合を一つのきっかけに、小沢選手が岐阜女子の中核を担っていく未来に期待したいです。
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