「U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン1」の開幕週となった8月22日と23日、国立代々木競技場第二体育館にて小学生向けのバスケットボールクリニックが開催されました。初日は四日市メリノール学院(三重県)の稲垣愛コーチは「ディフェンス」、2日目は岐阜女子(岐阜女子)の安江満夫コーチが「無駄のない構え」をテーマに熱血指導。U18最高峰の舞台で戦うトップチームのコーチ陣と選手たちが、普段の練習でも取り組んでいるファンダメンタルをキッズたちに直接伝授しました。
このクリニックは、「バスケで日本を元気に」という公益財団法人日本バスケットボール協会の理念のもと、「U18日清食品トップリーグ」の開催地において次世代選手の育成と競技普及の活性化を目指すものです。今回対象となったのは、ミニバスを頑張る小学5、6年生103名。
初日の8月22日は、女子U17日本代表のアシスタントコーチも務める四日市メリノール学院の稲垣愛コーチが講師を担当しました。クリニックのテーマに選んだのは「ディフェンス」。そこには稲垣コーチの強い思いがありました。
「女子U17日本代表の活動に携わる中で、痛感しているのが日本が勝つにはディフェンスしかないということです。ハーフコートでどれだけ苦しめるかが大切です。正直、子どもたちにとっては面白くないテーマかもしれません。ただ、ディフェンスの面白さも知ってもらいたいと思って選びました」。
練習は、ボールを持った相手の動きについていく鬼ごっこ形式のフットワークからスタート。「低く沈んでキックするようにしようね」「切り返す時に体重が乗ったらダメだよ」と細かな足の使い方まで声掛けしました。さらに、1対1の実戦形式に進むと、指導はより熱を帯びていきます。「おへそとおへそを合わせるようにしよう」「ボールを持った相手の動きに合わせて、まずは1つ目でバチッと(体を)当ててみよう」と、子どもたちにも分かりやすい言葉で体の使い方を伝えます。
中でも強調されたのが“ボディアップ”(ドライブに対して、ディフェンスが自身の胴体・胸部をコンタクトし、進行方向を制御する技術)です。
「日本人の選手は世界に比べると身長が低い。だからこそ、バックコートでいかに時間を使わせることがとても大事なんだよ。だから手ではなく“おへそとおへそを合わせる”ように体を当てるボディアップをやってみよう」と、世界と戦うための基準をキッズたちに落とし込んでいきます。「抜かれそうと判断したら一歩引いてみよう。自分の守るエリアは絶対に抜かれないという気持ちでね」とメンタル面でのアドバイスも送られ、会場は一気に熱気と笑顔に包まれました。
稲垣コーチが“面白くないテーマかも”と語ったテーマですが、参加した小学生の反応は大人の心配をよそに素晴らしいものでした。「メリノール学院の好きな選手と1対1ができて楽しかったです。練習でやっていないこともやったから難しかったけど、できるなって思ったこともありました」と目を輝かせていました。
この日行われたドリルは、特別なものではありません。稲垣コーチは「チームでも毎日やっているような練習です。中学生はもちろん、高校生も毎日やっていますし、女子U17日本代表でもやったぐらいです。高校生でも中学生でも小学生でも、ファンダメンタルという部分では絶対に大事なことなので、あえて同じ練習を選びました」と明かします。トップレベルの選手たちが日々磨き続けている基礎の重要性が、子どもたちに真っ直ぐに伝わった時間でした。
翌8月23日は、岐阜女子(岐阜県)の安江満夫コーチが講師を務めました。安江コーチもまた「普段、岐阜女子高校の生徒がやっている練習を一緒にやってみよう」と呼びかけ、日々のルーティンである入念なストレッチやステップワークからクリニックをスタートさせました。
この日の最大のテーマは、ボールをもらった時の構えとプレーから無駄な動きをなくすことでした。安江コーチは「ボールを持ったあとにやることは、ドリブル、シュート、パスの3つだよね」と呼びかけると、「足の幅は肩幅に広げ、膝が内側に入らないように足の親指の上に乗せること。そしてボールは“あごの下”に構えること」と常に攻撃できる体勢を瞬時に作るためのミートの基本が、徹底的に反復されました。
これには明確な理由があります。安江コーチは「ジュニア世代の子たちがボールを持った時にやるのが、ボールを腰の位置に持っていくこと。それは、『取られないこと』を前提にしていて、防御の姿勢で構えてしまうというのが気になっていました。ターンオーバーになってはゲームになりません。でも、スキルを上げていくためには、最初から攻撃の体勢を作ることが非常に大切なんです」とその意図を語ります。
岐阜女子の選手たちも、子どもたちの横につきっきりで「フェイクをちゃんと入れるんだよ」「しっかりミートしようね」と優しく声をかけていました。安江コーチは、選手が小学生を指導することにも大きな意味があると言います。「生徒たちがジュニアやミニバスの子たちに教えることは、自分たちのプレーを確認することだと思っています。選手が指導できないということは、私が選手に教えていないということになる。ある意味では私自身の評価でもありますし、選手たちにとっては基本を反復する大切な時間であるはずです」。
参加した小学生は「ボールをもらった時の構えの姿勢が、いつもやっている姿勢と違ったので『こうやってやればいいんだな』と分かったのがおもしろかったです。フェイクの入れ方なども教えてもらえて勉強になりました!」と、確かな手応えを感じていた様子でした。
四日市メリノール学院と岐阜女子。高校バスケ界をけん引する両チームのコーチが共通して子どもたちに提供したのは、決して派手なテクニックではなく、「ディフェンスのボディアップ」と「ボールミートからの構え」という、バスケにおいて最も地味でありながら、最も重要なファンダメンタルでした。
それは言い換えれば、トップレベルに到達し、世界と戦うステージに上がったとしても、この基礎ができていなければ通用しないという揺るぎない事実でもあります。レベルの高低は関係なく、すべてのバスケプレーヤーが大切にすべき本質を、キッズたちは身をもって学ぶことができました。
クリニックの最後、安江コーチは子どもたちに向けて「無駄な動きを少しでもなくすようにしましょう。あと4~5年後、U18日清食品トップリーグに出てこの体育館で試合ができるといいよね。そこを目指して頑張りましょう」と温かいエールを送りました。
トップチームのコーチと選手たちから最高のファンダメンタルを受け取ったキッズたちが、いつか「U18日清食品トップリーグ」のコートに立つ日が来ることを期待せずにはいられません。
クリニックの様子はこちらのリンクからご覧いただけます。
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— 高校バスケby日本バスケットボール協会(JBA) (@U18_JBA) August 26, 2026
📝出場チームのコーチによる小学生向けのバスケットボールクリニックを開催!
・四日市メリノール学院 稲垣愛コーチ
・岐阜女子 安江満夫コーチ
🔽クリニックの詳細はこちら🔽https://t.co/EWdam9gVlY#高校バスケ pic.twitter.com/2MFut2sYzd
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「U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン1」放送・配信情報
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