背番号「13」──福岡大学附属大濠(福岡県)にとって深い意味を持つ、特別な番号です。
昨年度は榎木璃旺選手(東海大学)が、一昨年度は湧川裕斗選手(明治大学)が着用し、それぞれが抜群の求心力でチームをまとめ上げ、全国制覇に導いています。しかし、今年度の福岡大学附属大濠には長らく「13」を着ける選手が現れませんでした。
「コートの中で一番影響力のある選手に、着けてもらいたい」
13番に対する片峯聡太コーチの言葉は、短くも深いものでした。
そしてついに「U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン1」で13番の着用者が現れました。2年生ガードの平良孔龍選手(175cm)です。冷静なゲームメイクと抜群の人間性を有する平良選手を、「13番として育てていくことに決めた」と片峯コーチ。
複数の主力選手が不在だった茨城県水戸市開催の第2週、藤枝明誠(静岡県)戦で平良選手は先発出場。敗れたものの、13得点、7アシストの活躍でチームをけん引しました。その経験と悔しさを糧に臨んだ9月20日の鳥取城北(鳥取県)戦では、藤枝明誠戦と同様に冷静なゲームメイクでチームをコントロールし、チームメイトにも頻繁に声をかけるシーンが目立ちました。得点こそありませんでしたが、約32分の出場で6リバウンドと6アシスト。「藤枝明誠戦は自分が点を取る役割でしたが、今回は周りに取らせる役割」だと、プレーを柔軟に変化させた形です。
チームも序盤こそ接戦となりますが、第2クォーター中盤からジリジリと突き放しにかかり、第3クォーターの10分間は31-9のビッグラン。#6 中村文哉選手(190cm/3年)、#14 本田蕗以選手(190cm/3年)、#23 白谷柱誠ジャック選手(194cm/2年)の三本柱を中心に相手を圧倒し続け、最終スコア76-49の快勝で今大会初勝利を挙げました。
平良選手は勝利に安堵しつつ、自身の3つのターンオーバーに目を向け、「そこが自分の一番の課題なので、次の試合に向けてミスを消していきたいです」と気を引き締めていました。
13番着用については、「うれしかったですが、やっぱり13番を着る覚悟も必要だった」と本音を漏らします。ただ一方で、「僕はそういうのを考え始めたら緊張してしまうので、なるべく考えないようにして、あくまでも自分は自分という気持ちで自分らしいプレーができたらいいなと思っています。やっぱり弱気になってしまったらダメだと思うので、そういう考えはしないように、自分が13番にふさわしい存在だと、これからのプレーで示していければなと思っています」と、自分なりの「13番像」を作り上げていく構えです。
片峯コーチも、まだ彼に大きなプレッシャーはかけたくないと話します。
「平良がこの冬までに、例えば岩下准平(滋賀レイクス)のような求心力のある選手になれるのかといったら、まだそうではないと思います。1年半をかけてそういう選手になってくれたらと思います。今の彼にとっては重たい番号かもしれないけれど、必ず…人間性とプレーの素質は十分に備わっている選手だと僕は思っているので、あまりプレッシャーをかけ過ぎずに我慢しながら育てていきたいなと思っています」
では、平良選手は偉大なる13番をどんな色に染めていきたいのか──「チームとしてやるべき役割がありますが、もしそうでなくなったとしても、自分ができるような、自分の長所をしっかり生かせるようなプレーをしていきたいです。点も決めて周りも生かせるようなプレーをして、日本一のガードになれればなと思っています」
ついに現れた福岡大学附属大濠の背番号「13」。平良選手がこの番号とともにどんな選手に成長していくのか、楽しみでなりません。
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