「U18日清食品トップリーグ2026」で選手が向き合うのは、対戦相手だけではありません。県立佐賀北(佐賀県)でキャプテンを務める品川愛翔選手は自分と向き合い、勝利への強い思いをチームの力に変える方法を模索し続けています。
きっかけは、初戦敗退に終わった夏のインターハイでした。声を出すことでチームに勢いを与えようとするのですが、仲間たちが付いてきません。「声を出さないことにフラストレーションを溜めてしまい、試合中に味方にバッと言ってしまいました」
キャプテンに任命された昨年12月、籾井宏一コーチから「もしかしたら、突っ走って周りを置いてけぼりにするかもしれない」という言葉を掛けられていました。この時は「嫌われ役を演じるのもキャプテンの役割ぐらいに考えていたのですが、そういうことではありませんでした」と品川選手は言います。
「自分だけ気負いすぎて先に行ってしまうことに気付いて、変わらなきゃいけないと思いました。『自分がやらないと』ではなく、もう少しチームメートを頼っていいんだと思うようになりました」
そこからチームメートの一人ひとりと、これまで以上に密なコミュニケーションを取るようになり、そのアプローチにも変化が生まれました。「人を観察するのが苦手で、思ったことをその場でパッと口にしてしまうタイプだからこそ、同じ3年生に『どうやって声を掛けたらいいと思う?』と聞いたり、『代わりに声を掛けてくれない?』と頼むようになりました」
「声を出さないことで自分のプレーに徹する選手がいるなら、それを理解する必要があります。一人ひとり気持ちも性格も違いますから、どうしたらもっと気持ち良くプレーできるかをキャプテンとして考えないといけない。僕はそこがずっと未熟でした」
そうした地道な試行錯誤を続けている中で迎えた9月27日(日)の中部大学第一(愛知県)戦は、彼にとってはまた一つの気付きを得る機会となりました。チームメートを理解して、頼るのも大事ですが、インターハイでベスト4進出を果たした強豪と渡り合うには、チームのエースである品川選手の得点が必要です。
「そこで、点を取りたい気持ちばかりが前に出てしまいました。僕のエゴが出て、スペーシングが悪くなったり、味方のオフェンスを潰してしまう場面がありました」。ハーフタイムに籾井コーチからの指摘で次第に視野が狭くなった自分に気付いたと品川選手は振り返ります。
県内のライバルが相手であれば、エースの活躍だけで勝てるとしても、「U18日清食品トップリーグ2026」で全国レベルのチームと渡り合うには、様々な手を繰り出す戦術のバリエーションが求められます。品川選手はそのことを中部大学第一との試合で痛感したと言います。
「相手が自分に寄ってくれたら周りが空いて、味方が3Pシュートを打てます。そこで決めてもらえればスコアに繋がる。点を取るだけではなく、相手を引き付けるようなプレーや、ボールを持っていないところでの動き方を向上させたいです」
大人であっても、エゴと自制心のバランスをコントロールするのは難しいものです。慶誠(熊本県)との初戦で敗れてから、悩める品川選手は『エゴを抑える技術』という本を読んでいます。「書いてあることがグッサグサと刺さりました。耳が痛くなる言葉ばかりですが、受け入れないと僕は成長できないと思います」
勝ちたいという強い意欲が、時にチームプレーの妨げになる。かといってエースとしての責任感を抑え込むことが正しいわけでもありません。夏の悔しい思いを繰り返さないためには、そのバランス感覚を身に着けなければならない──。品川選手はどこまでも貪欲に、成長しようとする姿勢を見せています。
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