県立宇部工業(山口県)はインターハイに3年連続で出場し、ここ2年は「U18日清食品ブロックリーグ」にも出場して全国大会の常連となりつつあります。しかし、昨年のチームはスタメン全員が3年生で、2年生で試合に出ていたのは渡邊朝陽選手ぐらい。試合経験に乏しいところからスタートしただけに、この「U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン2 グループF」は、実戦で自分たちの強みをどう生かすかにチャレンジする場となっています。
昨年はシックスマンだった渡邊選手は、チームの絶対的なエースへと成長しました。身長177cmとフォワードとしては決して大きくはありませんが、フィジカルの強さに加えてバランス感覚が持ち味。緩急を生かしたドライブでペイントエリアに割って入り、ブロックショットを狙う相手をダブルクラッチでかわす華麗なフィニッシュは、B.LEAGUEを代表するスコアラーである比江島慎選手の『比江島ステップ』を彷彿とさせます。
しかし、そこには仲間たちの献身的なサポートもあります。渡邊選手がドライブを仕掛けるコースは、チームメートがディフェンスを背負って作り出したもの。キックアウトを待つ選手のスペーシングも良く、エースが1対1を仕掛けやすいシチュエーションを常に作っています。キャプテンの宮本純希選手は「渡邊選手や2年生の木村羚志選手は1対1に強いですが、サイズがあるわけではないので、それだけでずっと点を取るのは厳しいです。周りの選手と協力することで、一人剥がしたらレイアップに行ける状態をチームで作って、効率良く点を取ろうとしています」と言います。
渡邊選手も攻めに注力するだけでなく、インサイドのディフェンスやリバウンドで身体を張り、チームメートに負けない献身性を見せます。10月25日(日)の米子松蔭(鳥取県)戦では、立ち上がりこそ相手の3Pシュートが当たったことで競ったものの、試合が進むにつれてチーム一丸のハードワークで優位を築き、96-63で勝利しました。
そんなチームでハードワークする姿勢が目立つのがキャプテンの宮本選手です。昨年はベンチ入りしても出場機会がなかったという165cmのガードが、激しいディフェンスと思い切り良く放つ3Pシュートで攻守を引っ張るまでには、守田智コーチが「ここまで来るのに、相当な努力をしています」と称える積み重ねがありました。
宮本選手は「去年までは試合に出れない悔しさを練習にぶつけてきました」とこれまでを振り返ります。「新チームになっても試合に出ていたメンバーが少なく、練習でも試合でも上手くいかないことばかりでしたが、そこで1点の大切さを学べました。個人としては、3Pシュートを打つことは変わりませんが、新人戦では全く入らなかったシュートの確率が上がっています。チームとしてもベスト8で負けてしまった新人戦から、インターハイ予選では勝てたので、少しずつですが上向いています」
キャプテンと先発ポイントガードを任されて試合に出るようになり、成長のスピードも増しています。最近の宮本選手は3Pシュートだけでなく、一瞬でトップスピードに乗る快足を生かした速攻も大きな武器にしました。米子松蔭戦でも第3クォーターに、味方のスティールに一早く反応した宮本選手のワンマン速攻から始まるランでリードを10点に広げるなど、試合の流れに大きな影響を与える得点を挙げています。
運動量と瞬発力は、宮本選手に限らずチーム全員の武器。宮本選手はその秘密を「新チームになってすぐ、2カ月ぐらいほぼボールに触れることなく走ってばかりの時期があります」と明かします。「そこで脚力を作って、厳しい練習をチーム全体で声を出して鼓舞し合って乗り切ることで、チーム力も強くなります」
渡邊選手は『エースの責任』を背負ってチームを牽引しています。「最初の頃はチームを勝たせる仕事ができませんでしたが、試合を重ねるうちに『自分が決めるんだ』という責任感が出てきました。でも、僕たちは全員で戦うチームなので、エースの重みは感じていてもプレッシャーという感じではないです」
その渡邊選手は、相手に厳しくマークされながらでも得点を奪う力を養うべく、普段から体幹を鍛え、「バランスボールでぶつかってもらいながらレイアップを打ったり」というコンタクトを受けながらのシュート練習を繰り返しています。変則的なステップでゴール下に飛び込み、接触を受けながらでも空中でバランスを崩さず、安定したフォームでシュートを決めるのはその成果です。
ここまで2勝3敗。「U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン2 グループF」で優勝争いを演じる京都精華学園(京都府)、光泉カトリック(滋賀県)、県立宮崎工業(宮崎県)に敗れていますが、昨年の「U18日清食品ブロックリーグ2025 グループH」を制した県立宮崎工業には5点差の接戦を演じるなど、敗れた試合でも自分たちのバスケに手応えを得られています。
宮本選手も渡邊選手も、残り短い高校バスケで完全燃焼することを誓います。宮本選手は「高校バスケには絶対どこかで終わりが来ます。それがいつになっても、3年生に限らずチーム全体で出せる力を出して、みんなで『最後はやりきったね』と言えるようなバスケをしたいです」と言い、渡邊選手は「全国大会で1勝を挙げること。その目標を成し遂げられたら、悔いなく良い終わり方になります」と続けました。
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「U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン2」競技日程
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「U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン1」放送・配信情報
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