「U18日清食品トップリーグ2025」の第1週が長崎県のHAPPINESS ARENAで開催され、その最終戦に前回大会3位の福岡第一(福岡県)と、今夏の全国高等学校総合体育大会(インターハイ)で準優勝を飾った八王子学園八王子(東京都)が登場しました。
注目の2チームとあって、会場は超満員。試合開始からフルコートプレスでディフェンスを仕掛けた福岡第一が八王子学園八王子から連続でターンオーバーを引き出し、#35 宮本耀選手(3年/168cm)や#42 長岡大杜(3年/178cm)が次々と加点していきます。序盤から堅守速攻のスタイルを遺憾なく発揮する“らしさ”全開の戦いぶりを見せた福岡第一が、28-20とリードして第1クォーターを終えました。
その第1クォーター終盤はセカンドユニットの時間帯となりますが、そこでも変わらぬ強度でプレーする選手たちは攻防に躍動。第2クォーター残り6分ほどでスターターが戻るまでに点差を2桁に拡大するすばらしい働きを見せました。中でも、大歓声を受けたのが#71馬場丈選手(3年/177cm)でした。
第2クォーター残り8分24秒にトランジションからパスを受けると、左45度から躊躇なく3ポイントシュートを放ちネットを揺らします。その瞬間の歓声は、この試合で一番ともいえるものでした。それはなぜか──実は馬場選手の地元は開催地・長崎県なのです。しかも、母校である長崎市立小ヶ倉中学校は、HAPPINESS ARENAから車で20分ほどの距離。長崎駅周辺は子どもの頃の遊び場だったと馬場選手は振り返ります。
ただ、馬場選手が中学生だった頃はまだHAPPINESS ARENAができる前。「この3年間で街もすごく変化したなと感じました。会場はすごく良かっですし、観客の皆さんの応援や雰囲気などもすごく良かったので楽しかったです」と、久しぶりの地元での、しかも「U18日清食品トップリーグ2025」という大舞台でのプレーを感慨深げに話していました。
家族や友人も会場に駆け付けてくれたそうで「知っている方々も応援に来てくださったので、感謝しながらしっかりプレーできたと思います。(井手口孝)先生からも、長崎県開催なんだから恥ずかしいプレーはするなよと言われていたので、1本シュートを決められたときはホッとしました」と馬場選手。同時に、「でも、そこで気が緩んでしまったのかなと思います。これからはもっと…1本決めても2本、3本と決めていけるような選手になっていきたいです」と課題も浮かび上がりました。
肝心の試合は、第3クォーターからさらにギアを上げた福岡第一が95-63で大勝し、「U18日清食品トップリーグ2025」を理想的な形でスタートしました。「インターハイで負けて、本当に悔しい思いをしながら3年生を中心にこの夏は一生懸命に練習をして、チームも個人もすごくレベルアップしました。まずは(今日の勝利で)悔しい気持ちを晴らせて良かったです」(馬場選手)
彼自身の出場時間はまだまだ限定的で、真にローテーション入りするには持ち味のシュート力を伸ばしつつ、自信を付けていく必要があります。「自分の持ち味はやっぱりキャッチ&シュート。1本でも多く3ポイントシュートを決めてチームの流れを変えたり、ディフェンスでハードワークしたりして、福岡第一のディフェンスと自分の武器である3ポイントシュートをしっかりやれと(井手口コーチから)ずっと言われてきました」と馬場選手。
そういった意味では、緊張もあった中で地元の温かな歓声を受けて決め切った1本の3ポイントシュートが、後々振り返ったときに馬場選手のターニングポイントになるかもしれません。
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