「見えないところで、どう頑張るか」
慶誠 #25 笠 夏菜
下呂交流会館アクティブ温アリーナ(岐阜県下呂市)で行われている「U18日清食品トップリーグ2024」。9月29日の第1試合で東海大学付属福岡(福岡県)と慶誠(熊本県)が対戦しました。
昨日、東海大学付属福岡はインターハイ準優勝校で地元の岐阜女(岐阜県)を下して初勝利。慶誠は京都精華学園(京都府)に金星を挙げました。両チームはインターハイの準々決勝でも対戦。その際は東海大学付属福岡が66-58で勝利しています。
第1クォーターを優位に進めたのは東海大学付属福岡でした。慶誠に対してインサイドの攻撃を封じると#10 浜口ゆず選手(2年/170cm)が3ポイントシュート3本すべて決めるなどで13得点。25-11と好スタートを切ります。試合開始から固さが目立った慶誠は、第2クォーターに入るとディフェンスから速い展開というやりたい形が出始めます。クォーター終盤に大黒柱#0 ロー ジョバ選手(3年/187cm)がペイントエリアでコツコツと得点したこともあり、5点差まで縮めて前半を終えました。
第3クォーター、慶誠は#12 岸希選手(3年/161cm)がドライブからのフローターなどで8得点とけん引。さらに#1 陽本麻生選手(2年/170cm)の3ポイントシュートを、ジョバ選手がゴール下で決めていきました。しかし、東海大学付属福岡は浜口選手がゴールにアタックして得点源となり、4点のリードで第3クォーターを終えました。
勝負の第4クォーター、慶誠は陽本選手、#17 澤田樹奈選手(2年/163cm)、岸選手が3ポイントシュートを連続成功。開始早々に追いつきましたが、東海大学付属福岡も#9 東口紅愛選手(2年/170cm)がすぐに3ポイントシュートを入れ返し、簡単に逆転を許しません。それでも残り6分半、慶誠は#25 笠夏菜選手(3年/172cm)とのハイローのプレーでジョバ選手が3ポイントプレーを成功し、53-51と逆転します。このあとは慶誠が僅差リードを守る展開で進み、2点差で残り1分を切りました。逆転勝利を狙う東海大学付属福岡は、残り30秒で最後のチャンスを得ましたが、ここで痛いオフェンス・ファウル。第4クォーター14-8とした慶誠が、55-53で勝利して3勝目を挙げました。
試合後、「自分たちが1年生のころから、東海大学付属福岡には全部負けていたので、初めて勝ててうれしいです」と笑顔を見せたのは笠選手です。慶誠は今日の試合でジョバ選手が16得点、岸選手が15得点、澤田選手が13得点、陽本選手が11得点と先発4人で全得点をマーク。その中で、無得点だったこともあり「シュートの判断ミスがあったり、弱気になったりして全然ダメでした」と反省を語りましたが、笠選手の魅力は数字に現れないところにあります。
コート上のバランスを常に意識してヘルプに走り、スクリーンをセットし、接触を嫌がることなくリバウンドやルーズボールに飛び込む。「ジョバがオフェンスで頑張り、リバウンドでも活躍してくれています。自分はインサイドのケアとジョバとのハイローが主な役割ですし、周りの選手に得点力があるので、リバウンドとか見えない部分で貢献したいです。もちろん、シュートも狙いますが、見えないところで、どう頑張るかを考えています」と自分の役割を語ります。「得点も頑張りたいですが、全国の強豪となると自分より体の強い選手が多いので、負けないように体を張って守ったり、ボックスアウトなど基礎的なところを徹底したいです」。
「U18日清食品トップリーグ2024」で慶誠は、昨日の京都精華学園戦勝利だけでなく大阪薫英女学院(大阪)にも66-62で勝利しており合計3勝1敗。暫定1位の桜花学園(愛知県)と同じ勝ち点7になっています。快進撃を見せる慶誠を見えないところで支える笠選手の頑張りにこれからも期待です。
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