「課題もいろいろ見えたけれど、すごく自信がついた」
慶誠 #0 ロー ジョバ
11月16日、国立代々木競技場 第二体育館にて「U18日清食品トップリーグ2024」は女子最終日を迎えました。華やかな演出の中で行われた選手紹介の後、行われた第1試合は慶誠(熊本県)と京都両洋(京都府)の対戦です。序盤は点差の離れない一進一退。京都両洋はゾーンディフェンスで相手の足を止め、#7 木谷夢菜選手(3年/170cm)の3ポイントシュートなどで先行しようとしますが、慶誠も#0 ロー ジョバ選手(3年/187cm)がコツコツ得点して対抗します。するとこのクォーター終盤、慶誠は#27 高松日葵選手(3年/171cm)が連続得点を挙げて一歩リード。23-18と5点差を付けて最初のクォーターを終えました。
試合が動いたのは第2クォーターです。京都両洋は#14 ヴィクトリア ウビ オコイ選手(2年/187cm)がバンクショットで先制点を挙げたものの、その後はターンオーバーやシュートミスが続いて得点が伸び悩みました。その間、慶誠はジョバ選手が巧みなドライブで得点を重ね、#1 陽本麻生選手(2年/170cm)のジャンプシュートや#12岸希選手(3年/161cm)のレイアップシュートが続きます。みるみるリードを拡大し、このクォーターの終盤には46-26と大きく20点差を付けました。
京都両洋はこの苦しい場面、#9 岡田彩葉選手(3年/162cm)の連続得点で追いすがったものの、15点ビハインドで前半終了。後半に入っても、木谷選手らが果敢に攻めて反撃を図りますが、慶誠は岸選手が次々に3ポイントシュートを決めるなど流れを渡しません。結局、さらにリードを広げた慶誠が、93-57で快勝を収めました。
慶誠はジョバ選手が31得点、15リバウンドの活躍を見せたほか、岸選手が18得点、6アシスト、陽本選手と高松選手がそれぞれ10得点と、周りの選手たちも攻め気を見せてハイスコアを記録しました。右田卓也アシスタントコーチいわく「負けた試合などはそうなのですが、ジョバに頼ろうとすると、周りの子たちも持っている力を発揮できません。ジョバに頼らず、周りの子たちも点を取りにいくことが大切です。それをこの『U18日清食品トップリーグ2024』を通じて選手たちもよく分かったと思うので、今日も積極的に攻めてくれました」。全7試合を締めくくる集大成のゲームで、これまでの学びの成果を発揮できたようです。
周りの選手たちが攻め気を見せると、ジョバ選手も厳しいマークが分散し、ますます止め難いスコアラーとして輝きを増します。セネガルにいた頃は2〜4番ポジションだったというジョバ選手は、巧みな技術を持つオールラウンダー。さらには自身で「ディフェンスが何人いるのか、右と左どちらに付いているのか、よく見て考えながらプレーしています」と語るように、クレバーな状況判断も持ち味です。昨年は膝の前十字じん帯断裂のケガに苦しみましたが、この「U18日清食品トップリーグ2024」では見事なカムバックを見せ、確かな手応えをこう口にします。
「インターハイ前に復帰して、最初はプレーが戻らなくて大変だったけれど、周りの人や先生がサポートしてくれて、頑張って戻ってくることができました。最初は体力がなくてすぐ疲れてしまっていたのですが、毎日走って、足がもっと強くなるように頑張ってきました。この『U18日清食品トップリーグ2024』で、課題もいろいろ見えたけれど、すごく自信がついたと思います」
ちなみに、来日3年目ながら日本語での受け答えも完璧。そのことに触れると「とんでもないです!」と謙遜していました。日本語の習得は「学校の授業もそうですが、一番は友達と話すことです。あと映画も好きなので、日本の映画やドラマを見て、フランス語の字幕をつけたりして勉強しました」とのこと。チームに溶け込み、同世代の留学生の中でも卓越したスコアリング能力を発揮する彼女の活躍に、これからも注目したいところです。
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