「すごく自分のプラスになる大会でした」
藤枝明誠 #3 野田凌吾
11月17日、「U18日清食品トップリーグ2024」は男子の最終日を迎えました。第2試合に行われたのが、福岡大学附属大濠(福岡県)と藤枝明誠(静岡県)の一戦。勝てば優勝が決まる福岡大学附属大濠に対し、それを何としても食い止めようと藤枝明誠が全力で挑みました。
試合の入りから、アグレッシブなディフェンスを仕掛けたのは藤枝明誠です。相手のミスを誘い、オフェンス面ではキャプテンの#3 野田凌吾選手(3年/168cm)や、#15 ボヌ ロードプリンス・チノンソ(3年/205cm)らの活躍で開始5分、10-3と理想的な立ち上がりを見せました。控えのシューター、#8 金子來樹選手の3ポイントシュートが続いて15-5としたところで、たまらず福岡大学附属大濠はタイムアウト。その後、#14 高田将吾選手(3年/189cm)がバスケットカウントを獲得して流れを変えようとしますが、藤枝明誠も金子選手が2本目の3ポイントシュートを決めるなど譲りません。18-10と、藤枝明誠が8点リードして第1クォーターを終えました。
しかし第2クォーター、ここから福岡大学附属大濠の反撃が始まります。高田選手が3ポイントシュートやバスケットカウントで得点を重ねてチームをけん引し、#7 見竹怜選手(3年/187cm)らの速攻も続いて2点差に。対する藤枝明誠もこの苦しい時間帯、しばらくは僅差でリードを保っていましたが、残り4分、高田選手にドライブを決められ26-26とついに同点に追い付かれます。大黒柱のチノンソ選手も3つ目のファウルを吹かれてベンチに下がり、その後も内外角から攻め立てる福岡大学附属大濠の勢いを止められません。このクォーターだけ見れば28-11と一方的な展開になり、福岡大学附属大濠は逆転から9点リードを奪って前半を終えました。
後半に入っても、10点前後のリードを保つ福岡大学附属大濠。第3クォーター終盤には、#8 渡邉伶音選手(3年/206cm)や#10 榎木璃旺選手(2年/170cm)の3ポイントシュートでさらに点差を拡大します。藤枝明誠も、控えメンバーがフレッシュなプレーを見せましたが、大きく開いた点差を縮めるには至らず。福岡大学附属大濠が75-59で勝利し、「U18日清食品トップリーグ2024」でうれしい初優勝を飾りました。
強敵相手に、一矢報いることはできなかった藤枝明誠。試合後、司令塔の野田選手は「ディフェンスからブレイクというチームスタイルを40分間貫こうと意識して試合に臨んだのですが、2、3クォーターは中だるみしてオフェンスが単発になってしまいました」と反省の弁。それでも、「最後の第4クォーターはしっかりディフェンスでやり切ろうと話していて、もう一回ベンチや応援席も含め、チーム一丸となって最後まで戦えたと思います」とも語り、点差が離れても粘りを見せたことに対しては手応えも得られた様子です。
この「U18日清食品トップリーグ2024」において、全7試合の戦績は2勝5敗。悔しさも多く味わいましたが、大会全体を振り返って野田選手は「八王子学園八王子戦と京都精華学園戦の2試合、接戦を勝ち切ることができたことは自信にしたいですし、最後の試合も敗れはしましたが、自分たちのバスケットスタイルを出せる時間帯はありました。反省点も多いですが、次につながる大会になったと思います」と前を向きます。
また、野田選手個人では、昨年度は膝の前十字じん帯断裂のケガで「U18日清食品トップリーグ2023」に1試合も出られず、コートに立つ選手たちを羨ましく眺めながら悔しさを味わいました。今年度は、強豪たちと多くの試合を経験でき、「率直に楽しかったです。大会期間中は、試合で自分に足りないところが分かって、平日の練習でそれを意識しながら克服できる。すごく自分のプラスになる大会でした」と充実ぶりを口にします。
藤枝明誠は主力に下級生も多く、野田選手のみならず、多くの選手たちがこの「U18日清食品トップリーグ2024」で確かな成長を見せました。ここでの経験と悔しさを生かして、今後さらなる飛躍を図ります。
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