平寿哉「僕らは勝つことだけにこだわっていきます」
桜丘(愛知県)
桜丘(愛知県)はインターハイの3回戦で福岡第一と対戦し、大接戦の末に敗れました。優勝候補と互角の攻防を繰り広げる大健闘でしたが、桜丘の選手たちはそうは思っていません。
平寿哉キャプテンはこう語ります。「他のチームのいろんな選手や保護者さんから『惜しかったね』とか『福岡第一さんとあれだけ戦えてすごかったね』と言葉をかけていただいて、それはうれしいことなんですけど、それって僕たちが福岡第一よりもレベルが下だと思われてないと言われない言葉だったと思います。でも僕たちは自分たちに力があると信じていて、勝ちだけにこだわっていたので、『惜しかった』とは全然思っていなくて、ただただ悔しかったです」
その差を埋めるために日々努力を重ねていく中で迎えた、8月9日の「U18日清食品 東海ブロックリーグ2023」初戦。浜松開誠館(静岡県)と対戦した桜丘は、チームの底上げのために平選手を始め主力をベンチスタートとし、下級生主体のスタメンで臨みました。
しかし、良いシュートチャンスを作ることができず、攻守にエネルギーを出そうとするも空回りしてしまい、開始5分半で3-13と2桁のビハインドを背負います。
ここで水越悠太コーチは5人総入れ替えを選択しました。平選手はそのファーストプレーで思い切りの良いスティールを成功させてワンマン速攻を繰り出し、バスケット・カウントで悪い流れを断ち切りました。
攻守にバランスの良い浜松開誠館に先手を取られ、その後もビハインドの時間帯が続いたものの、第2クォーターのラスト3分半で12-3のランと猛追し、第3クォーターに平選手の3ポイントシュートで逆転。第4クォーターは完全にリズムに乗って25-10と圧倒し、最終スコア78-61で勝利しました。
平選手はプレーでの活躍だけでなく、苦しい展開が続く中でも大きな声を出し、チームメートを鼓舞する姿勢が目立ちました。「みんなでコミュニケーションを取って、試合の最初から最後までずっと良い雰囲気でやれるのが僕たちの良いところです。今日は前半そこが良くなかったので、100点満点の50点ですね」
水越コーチは平選手について「ドライブができるしシュートもできる。身体も強くていろんなプレーができる選手なんですけど、一番評価したいのはリーダーシップです。試合だけじゃなく毎日の練習でも『行くぞ』、『やるぞ』と声を出してチームにエネルギーを与えてくれるチームの中心です」と最大級の評価を与えています。
平選手本人は、リーダーシップについて「桜丘では各学年にリーダーがいて、僕は入学した時に1年のリーダーに指名されました。それから学年を引っ張るような仕事をずっとやっていたので、『3年生になったら自分がキャプテンだ』という自覚は持っていました。でも、自分がキャプテンじゃなかったとしても同じことをやっていると思います」と言います。
昨年の「U18日清食品 東海ブロックリーグ2022」に平選手はケガで出場できず、応援に回っていました。「ケガをしていたんですけど、試合を見ていて、これだけ短い期間で県大会の上位に出てくるチームと試合ができるのは大きな意味があると思っていました。今日も前半にチームの課題が見つかったことはチームにとってはプラスなので、良い期間にしたいと思います」
そう言った平選手は、笑顔とともにこう続けました。「もちろん勝負にはこだわって、みんなも優勝しか見ていません。僕らは勝つことだけにこだわっていきます」
初戦で浜松開誠館を破った桜丘は、大会2日目に浜松学院を破って連勝スタートを切っています。
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