大塚晴心「個々の強みを全員が信頼し合って」
高山西(岐阜県)
「U18日清食品 東海ブロックリーグ2023」大会3日目を終えて、3連勝で首位に立つ高山西(岐阜県)。好調の要因は留学生プレーヤーの存在と、新人戦から取り入れているツープラトン戦術です。
打江謙二コーチは、「自分がコートに出ている時間は集中してやり切る。代わったらその子たちがまた頑張る。この10人は誰が出ても遜色がないので、まとめて出して流れを変えられればと、思い切ってやっています」と手応えを語ります。
スターターにもセカンドユニットにも、身長204cmのアデルシ ジェシー選手、身長199cmのオカプ チネドゥ選手と留学生のビッグマンを擁するのは大きな強み。しかしながら、彼らの身体能力の高さに依存しないところがこのチームの良さだと、大塚晴心選手は胸を張ります。「一人ひとりに強みがあって、誰が出ても点が取れる。自分は外のシュート、ジェシーはリバウンドやゴール下、パスのうまい選手もいます。そういう個々の強みをチーム全員が信頼し合っています」。
チームの一体感を高めるため、大塚選手は試合中もコート外でも頻繁に留学生とプレーの確認をし、ベンチからチームメートを大きな声で鼓舞し続けています。
「僕は留学生と寮も一緒で、もともと人としゃべることが好きだし、英語も結構得意です。彼らが何を言いたいかを理解し、日本語ではこう言うんだよと教えたり、バスケの難しいことは英語を話せる1年生がいるので、その子を介して話をしたりします。本人たちの勉強する気もすごくて、チネドゥはまだ日本に来て3、4か月ですが、問題なくコミュニケーションが取れるようになっています。普通の生活をしていたら接することがない関係なので楽しいですし、プレーでも彼らがリバウンドを取ってくれると信頼しているので、思い切ってシュートを打つことができています」
一方のジェシー選手も日本でバスケをすることを楽しんでいます。「日本に来てすぐの頃は日本語が分からず面白くなかったけど今は大丈夫。みんなすごく優しいし、日本でバスケができて良かったです。ラーメンも美味しい(笑)。僕たちは連携も良くて、すごくやりやすい」と日本語で一生懸命に答えてくれました。筆者の質問が伝わらない時も、大塚選手が説明し直すとジェシー選手は理解できます。そんなところからも、2人の信頼関係が垣間見えました。
岐阜県は美濃加茂、富田、高山西の3校がしのぎを削っています。インターハイの県予選では2勝1敗で3チームが並び、高山西は得失点差で準優勝となり、惜しくも全国大会出場を逃しました。
打江コーチは「個々のスキル、特にシュートパーセンテージをもっと上げていきたい。留学生同士の戦いになると毎回リバウンドを取れるわけではないので、決めるべきところで1回で仕留められないと厳しくなる」と個々のレベルアップの重要性を語ります。
打江コーチは大塚選手に「シュートはのびのびとやってくれているので、ディフェンス力を高めてほしい」と、ナイジェリアでは3年ほどしかバスケの経験がないというジェシー選手には「ファンブルが少し多いので、指先を鍛えるためにテニスボールを使った練習をさせています。毎回20得点くらい取ってほしいですね」とさらなる成長を求めます。「そういう意味でも、いろいろなチームと対戦できて、大事な、良い経験をさせてもらえる大会です」と「U18日清食品 東海ブロックリーグ2023」に出場できることに感謝していました。
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