瀬利心花「どんな状況でも笑顔でプレーしよう」
県立いなべ総合学園(三重県)
ドリブルしながら笑顔。シュートを決めて笑顔。激しいディフェンスをして笑顔。ミスをしても「ごめん」と笑顔。ベンチで仲間を鼓舞しながら笑顔。
県立いなべ総合学園(三重県)は全員が楽しそうにバスケをする姿が印象的なチームです。中でも目を引いたガードの瀬利心花選手は、少し照れながら、笑顔の理由をこう話します。
「小学生の時から、どんな状況でも笑顔でプレーしようと意識しています。自分はボール運びをしたり点を取ったりする機会が多くて、その自分が沈んだ顔をしていたらチーム全体の雰囲気も暗くなってしまう。だから笑顔でプレーするように心がけてきました」
8月9日から11日に行われた「U18日清食品 東海ブロックリーグ2023」の前半戦。県立いなべ総合学園は高山西(岐阜県)に102-49、県立岐阜商業(岐阜県)に79-45と連勝しました。3日目の第2試合、インターハイ出場校の四日市メリノール学院(三重県)との対戦は、序盤から激しいディフェンスで主導権を握り、前半で17点のリードを奪います。チームの好調も手伝って、瀬利選手から笑顔の輪がチーム全体に広がっていきました。
瀬利選手は先輩ガードの盛優衣選手とともに、スティールからの速攻やキレのあるドライブから得点を重ね、笑顔でオフェンスを牽引。県内のライバルに75-48で快勝しました。
「練習の時からミスをしても笑顔で声を掛け合うことを意識しています。上級生ともとても仲が良いので、お互いに遠慮しないでのびのびとプレーできているところが、チームの雰囲気の良さにつながっていると思います」
県立いなべ総合学園の応援席には、『Enjoy making efforts and playing hard 努力することを楽しみ、一生懸命を楽しむ~』と書かれた横断幕が掲げられています。今年4月に着任した中島英之コーチは、「自分が来る前からモットーはあったので」としながらも、その志を引き継いだ指導をしています。
「笑顔だけではなくて、厳しい顔も集中したキリッとした顔も含めて、いい顔でバスケットをしてほしい。楽しいにもいろいろあって、ただヘラヘラと笑っているのは違いますよね。真剣に取り組む中で、ふと出る笑顔はいいですよね。僕たちはチャレンジャーなので、泥臭く、一生懸命ハードワークすることを大事にしています」
新人戦、インターハイ予選ともに2位に終わった県立いなべ総合学園は、平日は約3時間半のチーム練習、土日は練習試合や遠征とハードにバスケに取り組んでいます。「U18日清食品 東海ブロックリーグ2023」では3勝4敗の5位に終わり、収穫も課題もたくさんみつかる大会となりました。
それでもやはり意識するのは、同じ三重県のライバル。瀬利選手はこう言います。「四日市メリノール学院とは、新人戦の30点差がインターハイ予選では9点差まで縮まりました。今日の試合は相手の主力選手が出ていなかったのですが、だんだん差が詰まっている手応えはあります。絶対にメリノールに勝利して、笑顔で県の決勝を終えたいと思います」
勝利で自信を得た瀬利選手は、取材中も笑顔を絶やすことはありませんでした。
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