松尾有晏「少しでもいいプレーができるように」
県立岐阜商業(岐阜県)
県立いなべ総合学園との試合に45-79で敗れたあと、県立岐阜商業は長いミーティングを行いました。田中良夫コーチはその内容をこう説明してくれました。
「このブロックリーグは公式戦ではあるけれど、勝ち負けを差し引いていろんなことを経験して力をつけていくのが一つの狙いです。ところが、経験どうこう以前の内容だったので、そこのところについて話をしました。相手のディフェンスの問題かと聞いたら、そうではなく、自分たちで勝手にプレッシャーを感じてしまったと。よく知っている相手なのに、岐阜女子(岐阜県)とやるような感じで引いてしまった。そういった点で非常に消化不良な試合でしたね」
県立岐阜商業と県立いなべ総合学園は、新チーム発足時からよく練習試合を行い、勝ったり負けたりを繰り返す間柄です。ところがこの試合は試合開始早々から10点のリードを奪われ、第3クォーターにポイントガードの今尾陽選手が孤軍奮闘したものの巻き返しは叶わず。これまでで最も大きな点差で敗れました。
キャプテンの松尾有晏選手は「いなべのディフェンスが強いのは知っていたので、そこに負けないようにやっていこうと全員で意識していたんですけど、相手の3ポイントシュートがどんどん入って判断を乱されて、自分たちのペースに戻れなくなってしまいました」と振り返り、しばしの沈黙の後に「悔しいです」との言葉を漏らしました。
今年の県立岐阜商業は、松尾選手を除く主力が2年生という若いチーム。松尾選手は「試合中にしゃべれる選手があまりいなくて最初は大変でしたけど、上下関係とか関係なくお互い言い合えるようなチームを作ってきました」と言いますが、「この試合はメンタル的にやられていた選手が多いのに、自分やガードのアコ(今尾選手)が声をかけで引っ張っていけなかったことも負けの原因です」と認めました。
この敗戦をバネに、この日の2試合目となる高山西(岐阜県)戦では、序盤から持ち味のアグレッシブなディフェンスを発揮し、93-38と快勝。松尾選手がチームメートに声をかけるシーンも数多く見られました。
「本当に若いチームなので、東海地区の強豪校と公式戦で戦えるリーグ戦は本当に貴重な場です。若さを前面に出して、フレッシュにディフェンスで頑張るのがチームの信条なので、そこをもう一度洗い直して残りの試合も戦いたいです」
田中コーチは今後の抱負をこのように語ります。松尾選手も「相手が強かったとしても、少しでもいいプレーができるようにしたいし、大会の最後まで切磋琢磨したゲームができるようにしたい」と意気込みました。
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