小川莉々華「誰が出てもチーム力が下がらないチームになりたい」
和歌山信愛(和歌山県)
「U18日清食品 近畿ブロックリーグ2023」に出場している和歌山信愛(和歌山県)は、9月2日の開幕戦で大阪桐蔭(大阪府)に60-74、翌日の京都両洋(京都府)には62-88で敗れ、連敗スタートになりました。
和歌山信愛の宮本浩次ヘッドコーチは、2試合を振り返ってこう語ります。「このU18日清食品 近畿ブロックリーグで選手層を厚くしたいと思っています。いろいろな選手を起用しながらチャレンジすることがテーマです。そうした中で、してはいけないミスも多く出てしまった。ディフェンスでミスをして、それを取り返そうと焦ってタフショットになってしまったり……。自分たちの弱い部分が出ました」
和歌山信愛はサイズのないチームだけに、オフェンスでは全員が走り、パスをつないで堅実に得点を目指します。ディフェンスも粘り強さが大きな特長です。まさにチームプレーが生命線となっている中で、宮本ヘッドコーチは副キャプテンの小川莉々華選手にキーマンとして特別な期待を寄せます。
「精いっぱい動きながらプレーし、リバウンドやルーズボールにも必死に食らいつく。声を出しながらやってくれていますし、今、一番頼りになる選手ですね」と、宮本ヘッドコーチは賛辞を送ります。
その小川選手は「3年生になってから責任感が増した」と言います。「キャプテンの早川纏依選手がチーム運営や下の学年への指導で頑張ってくれているので、私はそれ以外のところ、練習や試合での声出し、チームメートへの声かけを意識しています」
実際、大阪桐蔭との試合でのハーフタイムには、スタンドで応援しているベンチ外メンバーとコミュニケーションを取る姿が見られました。そういった『気配り』は、もちろん下級生に伝わっています。2年生ポイントガードの山本和叶選手は小川選手について、「とても頼りになる先輩です。試合中に流れが悪い時には、みんなを鼓舞してチームを引っ張ってくれます」と話します。
和歌山信愛はこの夏のインターハイにも出場しましたが、初戦で日本航空(山梨県)に68-74で敗れました。小川選手は「いい結果を残せなかったのが、すごく悔しい」と唇を噛み、気持ちの面でも変化があったと言います。「インターハイで負けてから『もっとチームのためにやれることをやろう』という気持ちになりました」
その声かけは、いつもポジティブ。調子が良い時も悪い時も、良い言葉を発することで調子の良い選手をさらに乗せ、調子の出ない選手があれば引き上げます。「自分がリバウンドを取るから、安心して打っていいよ」、「ミスをしてもいい。ミスをしたら、取り返せばいいから」。試合中は下級生に対して、こういったポジティブな声かけを意識しているそうです。
「誰が出てもチーム力が下がらないチームになりたいんです」。そう目標を語る小川選手。残り数カ月となった高校バスケ生活の最後まで、これからも自分にできることを全力で、責任感を持ってやっていくつもりです。
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