「マンツーマンディフェンスでもしっかり戦っていけるチームを作っていきたい」。そう抱負を語るのは、阪南大学（大阪府）の森本正ヘッドコーチです。
9月2日、「U18日清食品 近畿ブロックリーグ2023」が開幕し、阪南大学は和歌山南陵（和歌山県）を98-84で下しました。この夏を費やして練習してきたマンツーマンディフェンスを40分間続けて手にした価値ある1勝となりました。

これまで阪南大学はゾーンディフェンス主体で戦ってきました。それをマンツーマンディフェンスに切り替える理由を森本ヘッドコーチはこう語ります。「ゾーンディフェンスが全国の舞台などで攻略されてしまいました。マンツーもできるようになれば戦い方の幅がより広がるので、今後を見据えて今は重点的に取り組んでいます」
和歌山南陵との試合では素早いピックアップを意識した上で、一人ひとりが粘り強くディフェンスに足を動かしました。特に1対1の場面で「絶対に抜かれない」という気迫のこもったディフェンスが目を引きました。

キャプテンの福田光星選手はこのディフェンスに手応えをつかんだ様子です。「最初から最後までマンツーをやって勝てたのは一定の成果だと思います。練習し始めの頃は、なかなかうまくいかないこともありましたが、たくさん練習してきたので自信はありました。この戦い方でも通用すると感じられたので良かったです」と笑顔を見せました。
阪南大学は昨年から留学生の受け入れをスタート。チームメートから『ゴッツ』の愛称で呼ばれる2年生、196cmのンワンクォ チネドゥ ゴッツウィル選手、同じく『チブゾ』と呼ばれる1年生で194cmのエベブネ チブゾ ジャフェット選手の能力をチームとしてどう生かすかが大きなテーマになります。マンツーマンディフェンスをより高いレベルで機能させる意味でも、2人の活躍はカギとなります。

森本ヘッドコーチは言います。「2人とも留学生の中では小さいほうなので、オンボールの時だけでなく、オフボールの動きやスクリーンのかけ方をもっと磨いていかないといけない。チームとしてもそうですが、彼らの将来を考えてもチームプレーを身に着けてもらいたいです」
そのチーム方針は選手たちも意識していて、試合中は日本人選手が留学生プレーヤーに対して積極的に声をかけている姿が印象的でした。「ゴッツもチブゾもファウルが重なっていたので、第4クォーターは『ノーファウル！』、『落ち着いて』という声をかけていました」と福田キャプテン。「マンツーマンディフェンスでのスイッチなど留学生との連携は難しい部分もありますが、2人とも勉強熱心なこともあり、比較的早く覚えてくれました。これからもっともっと精度を上げていきたいです」

9月3日に行われた光泉カトリック（滋賀県）とのゲームも93-71で勝利した阪南大学。ディフェンスの引き出しを増やし、2人の留学生プレーヤーもフィットしてきたことで、チームは大きな進化を遂げようとしています。