「この舞台に立てることに感謝してプレーしたい」
岐阜女子#7榎本麻那選手
アリーナ立川立飛で行われた「U18日清食品トップリーグ2023」の第3週。9月24日(日)、この週を締めくくる岐阜女子(岐阜県)vs.桜花学園(愛知県)の試合が行われました。
同じ東海地区のライバル対決となったこの一戦。岐阜女子はエースの#4絈野夏海選手(3年/172cm)が前日のケガで欠場となりましたが、それでも#9林琴美選手(2年/163cm)らが意地を見せ、#8ジュフ ハディジャトゥ選手(3年/186cm)もインサイドで奮闘して前半は3点リードに成功しました。しかし、後半は桜花学園ペースに。安江満夫コーチが「突き放された時間帯は、相手のディフェンスに対して対応できずに攻め切れませんでした」と振り返るように、攻撃のミスから相手に走られ、最後は56-70で力尽きました。
初の黒星を喫して悔しさもにじむ岐阜女子ですが、収穫もありました。その一つが、絈野選手に代わってスタメン入りした#7榎本麻那選手(3年/176cm)の活躍です。この試合に「絈野選手が出られない分、絶対に自分のプレーをやり切ろうと思っていました」と強い意気込みで臨み、前半だけで11得点。後半は点が伸び悩んで2得点でしたが、1試合を通して7リバウンド、3アシストを記録し、ディフェンスでも体を張ってダブルチームなどを仕掛けました。
そんな榎本選手は、オールラウンドに働く大型ガードとして昨年の女子U16日本代表にも名を連ねた逸材です。しかし昨年のインターハイ後、ひざの大ケガで手術を経験し、昨年の「U18日清食品トップリーグ2022」には1試合も出場できませんでした。大会期間中は寮で映像を見ながら応援し、現地で観戦したのは国立代々木競技場 第二体育館で行われた最終週のみだったそう。だからこそ今年、ずっと立ちたかった舞台に立ち、榎本選手は「演出などがすごくて最初は緊張もしましたが、すばらしい舞台だと思います。ここに立てることに感謝してプレーしたいです」と語ります。
長いリハビリを経て今年6月の東海ブロック大会前に復帰してから、東海ブロック大会、インターハイ、そしてこの「U18日清食品トップリーグ2023」と、大会を重ねるにつれ徐々に復調しているように見えます。特に今大会では3ポイントシュートを確率良く決めていますが、実はそのコツはリハビリ期間につかんだそう。「足を動かせない期間は上半身をトレーニングしてきて、ジャンプをせずに3ポイントシュートを打つ練習などもしていました。そこで少し、シュート力が上がったと思います」と榎本選手は明かします。
高校最後の残りのシーズンに向け、「約1年バスケットから離れて、すごく悔しい思いをしました。この先、負けるという意味でも悔しさはもう味わいたくないので、『やるしかない』という気持ちです」と言い、鬱憤を晴らすべく闘志を燃やしています。榎本選手が完全復活を遂げれば、チームに大きなパワーがもたらされるはず。まだまだポテンシャルを秘める岐阜女子の戦いぶりから、残り4試合も目が離せません。
「U18日清食品トップリーグ2023」は「U18日清食品リーグ公式YouTube」と「バスケットLIVE」で全試合ライブ配信中です。(※バスケットLIVEはシステムメンテナンス等により、一部試合のライブ配信が行われない場合があります。)
また、スポーツナビでも一部試合を配信しております。日本中を “沸かす” U18世代国内最高峰の戦いを是非会場、または配信にてご観戦ください。
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