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U18日清食品リーグ

山下朔史の覚悟「結局、やるのは自分たちなので」
浜松開誠館(静岡県)

U18日清食品リーグ2023 大会レポート
U18日清食品 東海ブロックリーグ2023
レポート

「U18日清食品 東海ブロックリーグ2023」の大会2日目、稲永スポーツセンターで行われた2試合において、浜松開誠館男子の後藤正規ヘッドコーチと鈴木信一アシスタントコーチは選手たちにほとんど指示を与えませんでした。
かつて、日本を代表するスター選手だった後藤ヘッドコーチは「今は選手たちに自分たち自身で課題を探し、それを解決させる力を身につけさせたい時期なので、あまり横から口を出さないように我慢しています」と話し、「実際にプレーするのは選手たち。良い意味で自立できる選手を育てたいです」と続けました。

大会初日は桜丘(愛知県)に、2日目は安城学園(愛知県)と浜松学院(静岡県)に敗れて3連敗。この試合内容について後藤ヘッドコーチは「やってほしいと思っていることと違う方向に行ってしまっています」と苦い表情でした。
今は自立をうながすために、あえて選手たちを突き放す時期。コーチも我慢ですが、選手たちも勝てない中でまた苦しんでいます。チームの中でリーダーシップを発揮すべき選手として後藤ヘッドコーチが挙げたのは、キャプテンの山下朔史選手でした。その山下選手は、どんなプレーでチームに貢献したいかと質問すると「どんどん得点に絡んでいくこと」との答えがすぐに出ましたが、「キャプテンとしては?」との質問にはしばらく考え込んでしまいました。

U18日清食品 近畿ブロックリーグレポート画像 「まだ全然です。まだまだ周りに声がかけられていません」
山下選手は、171cmと小柄ながら抜群の得点力を持ち、1年生の時から主力を務めてきました。ただ、最上級生になってキャプテンとしてチームを引っ張っていくのは、プレーとは全く別の難しさを伴います。
山下選手が理想とするのは、2年前に浜松開誠館が初めてウインターカップに出場した代のキャプテンです。「周りを巻き込んでずっとしゃべっていたし、プレーで面でもしっかり引っ張っていた。そういう姿になりたいです。だから自分が何をやればいいのかは分かっているつもりなんですけど、うまく表現できていません」

ここでコーチから具体的に「こうしたらいい」と教えてもらい、それを実行するだけなら簡単かもしれません。しかし後藤ヘッドコーチは選手たちの先のことまで考えて、今はアドバイスをせずに見守るのみ。山下選手は悩みながらも自分なりの答えを見つけ、『自立』しなければいけません。
試合中に指示がほとんどないことについて山下キャプテンは「タイムアウトを取る回数は限られているし、自分たちで修正する力を身につけていかないと高い場所では戦っていけない。これを良い機会にしたいです」と自分なりに消化しています。

U18日清食品 近畿ブロックリーグレポート画像 「結局、やるのは自分たちなので」。そう山下選手が語った言葉はチームに少しずつ浸透しており、選手たちは試合を重ねるごとに、自分たちで意見をかわして試行錯誤する姿を多く見せるようになっていました。結果として「U18日清食品 東海ブロックリーグ2023」は1勝6敗の7位に終わりましたが、大会期間を通じて得難い経験を重ねられたはず。高校生は1か月もあれば大きく成長できます。山下キャプテンと選手たちが後藤ヘッドコーチの思惑をはるかに超えるような成長を遂げていることに期待したいです。

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