「バスケができることが幸せ。プレーで悩むことも失敗も全部楽しい」
精華女子 #7 清藤優衣
群馬県の高崎アリーナで開催の「U18日清食品トップリーグ2023」、10月7日の第2試合は、この試合が今大会2試合目で初勝利を目指す精華女子(福岡県)と、ここまで1勝1敗で白星を先行させたい聖和学園(宮城県)が対戦しました。両チームとも今年の北海道インターハイではベスト8の成績。準々決勝で、精華女子は京都精華学園(京都府)に、聖和学園は大阪薫英女学院(大阪府)に惜しくも敗れましたが、どちらのチームも今リーグでは夏のリベンジのチャンスがあり、今日の試合で勝利を収めて勢いを付けたいところです。
まだ1試合しか行っていない精華女子ですが、先週末の試合を終えた時点での大会公式スタッツを見ると、得点では#44アキンデーレ タイウォ・イダヤット選手(1年/188㎝)、アシストでは#9中釜光来選手(2年/156㎝)、#4谷千優選手(3年/163㎝)、イダヤット選手の3人、スティールでも中釜選手、#14下川蒼乃選手(2年/174㎝)、イダヤット選手の3人がトップ10にランキングされ、個の力の高さが表れています。そして、リバウンドで堂々の1位となっている精華女子としては初の留学生であるイダヤット選手をはじめ、下級生の奮闘ぶりが光っているのも精華女子の大きな特徴と言えるでしょう。
聖和学園#9阿部友愛選手(2年/175㎝)の先制シュートで始まった今日の試合。第1クォーターは序盤で4‐4の同点からイダヤット選手のゴール下を起点に、#11米森奈々心選手(2年/158㎝)と#7清藤優衣選手(2年/171㎝)の連続3ポイントシュートが決まった精華女子が24‐18と一歩リード。続く第2クォーターも精華女子は#5樋渡梨桜選手(3年/166㎝)のシュートをきっかけに各選手が持ち前の攻撃力を発揮。前半を終えて48‐34とリードを広げました。
後半、聖和学園も#8内田理香選手(2年/178㎝)や阿部選手を中心にチーム一丸となった反撃で意地を見せますが、前半の勢いをさらに加速させた精華女子が91‐63で勝利を収めました。
この試合、序盤の連続得点に貢献した清藤選手は、実は2月の県新人戦で左ひざに大きなケガを負い、5月の手術を経て何と8か月ぶりの実戦復帰でした。ベンチスタートからコートに登場し、放ったシュートが見事にチームを勢い付けたのです。「自分は緊張とかもあまりしないタイプで、ワクワクした気持ちしかありませんでした。今日のためにリハビリも毎日頑張ってきたので、本当に自分のプレーを出したかったし、今まで支えてくれた人への感謝の気持ちをプレーで表現できたかなと思います」と試合後に語ってくれた清藤選手。チームがベスト8に進出したインターハイでも、「マネージャーとしてベンチに入り、みんなを支えることが自分の役割」と高い意識を持ち、仲間たちとともに全国大会の空気感を自分の中に染み込ませてきました。
そんな清藤選手のこれまでを見守ってきた大上晴司コーチは、「やっと帰ってくることができました。チームとしてどんなバランスになるのかちょっと心配な部分もありましたが、うまくかみ合ってくれました」と安どの表情。そして何より大上コーチが喜んだのが、そのプレーの内容。「予想以上にスムーズに入ることができました。特に(シュートの)ファーストタッチが非常に良く、そこからプレーに集中することができたと思います。彼女はオフェンスに目がいきがちですが、ディフェンスの部分でもチームに大きな影響力がある存在なので、今日は時間を刻みながらでしたがうまくマッチしてくれました」と、清藤選手の見事な復帰は今後のリーグ戦に向けても明るい材料となったようです。
「本当にバスケができることが幸せで、プレーで悩んだりすることや失敗とかも、全部楽しいなって思えるほどです」。清藤選手は万感の思いを込めて、今の心境を言葉にしてくれました。今日の試合では16分弱と限られた出場時間でしたが、それでも18得点としっかり数字を残した清藤選手。U18日清食品トップリーグ2023での今後のプレーぶりにも要注目です。
「U18日清食品トップリーグ2023」は「U18日清食品リーグ公式YouTube」と「バスケットLIVE」で全試合ライブ配信中です。(※バスケットLIVEはシステムメンテナンス等により、一部試合のライブ配信が行われない場合があります。)
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