「U18日清食品 四国ブロックリーグ」は今年が2回目の開催。去年の大会での明徳義塾（高知県）は、出場機会を与えられた2年生がチャンスを生かして急成長しました。今は先発ポイントガードの横地光聖選手は、去年のこの大会でブレイクして自信を付けています。その流れを今年も続けるべく、明徳義塾は下級生主体のチームをスタートに抜擢しました。
中村哲大ヘッドコーチは「去年もそうでしたが、3年生が進路の関係で不在になることの多い夏休みに2年生がグッと伸びます。このリーグ戦では夏に成長した下級生チームと、もともとの3年生のチームというツープラトンで戦います」と語ります。

今回、チャンスをつかんだ2年生は狩野哲平選手と山銅彪剛選手でした。思い切りの良さが武器のウイング、山銅選手は「普段の練習でも2年生と3年生が分かれて試合をするんですけど、僕ら2年生チームがスタートで、3年生が途中から出ます。最初に自分たちが思い切ったプレーをするのが大事で、3年生もその流れでプレーできていたのがよかったです」と満足気な表情を見せます。
山銅選手は2年生チームのエース格。狩野選手は「チームとして助け合って戦うんですけど、困った時はチームのエースである山銅が点を取ってくれます」と、頼れる同級生を称えます。

一方の狩野選手はインサイドでもアウトサイドでもプレーできるパワーフォワード。183cmと決して大きくはありませんが、インサイドで起点となってパスを出したりミスマッチを突いたりとオールラウンドな能力が持ち味です。山銅選手は狩野選手について「自分が点を取れない時に信頼してボールを預けられるし、3ポイントシュートも入るので、すごく頼りになります」と評価しています。

下級生チームでもう一人存在感が際立つのは、206cmの留学生センター、アントニー デイビッド選手。6月にチームに加わったばかりの1年生で、まだ背が伸びていて身体は出来上がっていませんが、学ぶことに熱心でメキメキと上達しています。狩野選手は「まだチームに加わったばかりでこれだけ活躍できるのはすごいです。さらに精神的に成長することができればチームの柱になってくれます」と、山銅選手も「今の時点でデイビッドが入ってインサイドはすごく強くなりました。まだまだ伸びしろもあります」と、ルーキーを信頼し、成長をサポートするつもりです。

中村ヘッドコーチもデイビッド選手に大きな期待を寄せています。「インターハイではまだ来たばかりで定着できていなかったのですが、少しずつチームにフィットしてきています。日本語のコミュニケーションもすごく頑張る子なので、簡単な会話であればもうできます。性格も明るいし、これからもっと良くなる選手です」

去年に続いてこのリーグ戦で下級生がチャンスを生かして自信を得ました。中村ヘッドコーチはこの大会でメリットを得られるのは「この15人だけじゃないんです」と強調します。「今回もケガ人がいたんですけど、この大会はエントリー変更ができるのがありがたいです。リーグ戦は試しながらの部分もありますが、その中で試合で使える選手が多くなっています。試合に出る責任感を経験して、チームの中での立ち位置が分かる。そうやってチーム全体が成長しています」

狩野選手も山銅選手も、目標を聞くと「全国ベスト8以上です」と声を揃えました。簡単な目標ではありませんが、この調子でチーム全体のレベルアップが続けば、決して実現不可能ではないはずです。